先日、卒園児の小学校3年生が、「人間関係プログラムの授業が、めちゃくちゃ面白いんだ・・・」と言ってました。この「人間関係プログラム」とは、さいたま市の教育委員会が、子どもたちのコミュニケーション能力や自己肯定感アップを目的に考えた授業です。
10年以上前ですが、私がPTA活動をしていた頃に、実際に体験をしました。チームになって、○○さんのいいところを些細なことでもいいので、できるだけたくさん見つけて、とことん褒めたたえる・・・といったプログラムが、何種類もあります。
小学校3年では、主に道徳の時間で、担任が行っているとのことですが、各学校では、一斉授業方式から「学び合い」のある授業作りを重視しています。
「漫才教育」に取り組み、笑いの中から「学び合い」の授業をめざし、全国から注目を集めた田畑校長は、昨年度異動した小学校で、人間関係の構築を重視した取り組みを行っています。
田畑校長は、「授業で子ども同士や子どもと教員の人間関係ができれば、皆が学校を好きになり、自己肯定感も高まり、いじめや不登校なども起きにくくなる」と仮説を立てます。
具体的には、各教室の机を日常的にコの字型Uの字型にして、話し合うように変えます。「フレームリーディング」という、教科書の作品の文章を1枚の用紙にまとめ、全体のフレーム(枠組み)をつかめるようにする手法や、自分の考え(主張)を、書いてある場所(根拠)や理由など踏まえ、筋道立てて説明できるようにするという「三角ロジック」を活用します。
話合いの型については、消去法、対立型などを使い、子どもたちの意欲を引き出すようにしています。もちろん、これを実行するには、教員一人一人の深い理解が必要です。校内の授業研究などで、教員のスキルが磨かれているそうです。
田畑校長は、「子どもがいつも笑顔でいられる学校にしたい。自分の思いや考えを表現できる雰囲気や場を築けば、いじめや不登校などの課題を減らしていけるはず・・・人間関係を重視する授業を行うことで、子どもたちのコミュニケーション能力が高まっていく」と語ります。
これは、社会人となった大人のコミュニケーションにも当てはまりますね。自分の考えや意見が言えるような、風通しのいい環境を作ることが大切ですね。