ラグビーワールドカップの日本代表選手の中で、日本人の両親を持ち、日本で生まれた選手は、実はそんなに多くありません。しかし、私たちは、そこに「ワンチーム」を感じました。そして、近年のスポーツ界は、国際結婚で生まれた2世の台頭が著しいですね。
そして、東京オリンピックを機に、多くの外国人が日本にやってきます。「これからの時代は、多様性を受け入れ、一人一人が違うことを理解しなければならない」と、大人の私たちは、よく言います。しかし、多様性をどうやって子どもたちに教えていけばいいでしょうか。
外国人というくくりだけではありません。東京オリンピックでは、女性アスリートの進出もめざましいものがあります。1964年の最初の東京五輪では、全選手の中で、女性は13%しかありませんでした。2020年東京オリンピックでは、5割近くになると見込まれています。つまり、男女の参加選手の数は、同じになったのです。
また、10代の頃からハードル選手としてトップにいた、日本女子の寺田明日香選手は、引退後、結婚、出産を経て、7人制のラグビーで日本代表を目指します。しかし、ケガで伸び悩み、再び昨シーズントラックに戻ります。そして、19年ぶりに日本記録を塗り替えます。母として、30歳で東京オリンピックに出場します。
男子も、39歳の高飛び込みの寺内選手が、通算6度目のオリンピック出場が内定しています。一度、引退したものの「まだメダルを取っていない!」という気持ちが、現役復帰となったのです。
昭和世代の私は、子どもの頃から、「みんな一緒でみんないい」を教えられてきました。人と違うことは、悪という風潮もありました。その反動もあって、ようやく大人になって、「人と同じことをするんじゃないよ!」と、保育園の子どもたちへは、ゲキを飛ばしています。(笑)
東京オリンピックは、まさに、子どもたちに「多様性ジャパン」を教える大きな機会になるような気がします。
未来を担う子どもたちが、本当の意味での「多様性」を受け入れて、考え方も生き方も、違う人同士を結び付ける力を持ってもらいたいですね。2020年は、「多様性」元年となるのかもしれません。