修学旅行で本屋に行く

私が中学の時に、遠足というか校外活動として鎌倉に行ったのですが、団体行動ではなく、5名ほどの班行動でした。それぞれの班は、テーマを決めて活動するのですが、私の班は、他の班が絶対に行かないような場所にしようと、知恵を出し合いました。

 

そして、決めたテーマは「鎌倉の切通し(きりどおし)巡り」です。切通しをご存知ですか。切通しは、山や丘などを掘削し、人馬の交通を行えるようにした道です。トンネル掘削技術が発達していなかった明治時代以前には、切り立った地形の難所に、道路を切り開く手段として、広く用いられたそうです。

 

現代でも、工事費がトンネル掘削費用と比較し、安くあがる場合には用いられています。

鎌倉には、いくつかの切通しがあります。7つほどあるのですが、私たちの班は、有名な寺院や鶴岡八幡宮もパスして、ひたすら、切通しを散策しました。

 

自分たちで考えたことと、他の班では、どこも取り上げなかったこともあって、今でも、この時の事は鮮明に覚えています。

 

修学旅行や遠足で、定番の場所だったり、旅行会社におまかせのプランというのは、何ともつまらないですね。大人になっても、思い出に残ることもないですね。

 

静岡県浜松市にある小学校は、修学旅行には「東京」ですが、そこで、必ず「本屋」に行くそうです。江戸川区にある、その名も「読書のすすめ」という本屋です。

 

この本屋さんは、「本のソムリエ」として有名な、清水克衛さんの書店です。この本屋には、いわゆるベストセラーではなく「本当に読んでほしい本」が、ダンボールを切って作った手書きのPOPと共に置かれているのです。

 

修学旅行の目的は、自分にあった本を清水さんに選んでもらい、本好きの子どもになって欲しいということだそうです。

 

修学旅行でわざわざ東京の本屋に行くなんて、なかなか粋ですね。定番修学旅行の何倍も魅力的です。こんな学校が、さらに増えていくのでしょう。