夏の雑木林で、樹液の出るクヌギには、夜はカブトムシやクワガタが集まります。しかし、昼間の主役はスズメバチです。夜になると、自分の巣に戻って寝ます。たまに、食いしん坊スズメバチが夜まで樹液を吸っていることがあります。
この夏の保育園ナイトツアーでもスズメバチを1匹ですが見つけました。「スズメバチがいるから近寄らないで・・・」と、思わず叫んでいました。
スズメバチは、夏に羽化を始め、9月から10月にかけて、一番個体数が多くなるそうです。つまり、今がスズメバチのピークなのです。1つの巣に数百匹が暮らすこともあるそうです。オスのスズメバチは全く働かず、女王バチの産卵のために存在するのみだそうです。
保育園の遠足でお世話になった、北本自然観察公園では、スズメバチの巣を見つけると、もちろん駆除はしません。スズメバチと共存する網のトンネルを設置するそうです。巣を見かけた時は「子育てをしているんだな」と温かい気持ちで見守って欲しいと言います。
スズメバチは花の蜜を吸い、チョウやガなどを食べます。スズメバチがいなくなった世界を想像してみると、花は受粉せず、種を残せなくなります。食べられた虫たちは数を増やし、農作物を沢山食べてしまうので、農薬が使われる量が増えるかもしれません。
こう考えると、スズメバチは生態系の大切な一員であり、私たち人間も大変お世話になっているのです。我が物顔で歩く私たち人間も、自然の生き物に触れながら、生態系のことをたまには考えてみる必要があるかもしれませんね。