平成に浸る⑤

台風10号によって、計画運休となった山陽新幹線や四国などの在来線でしたが、駅に着くと「台風の影響で運休」と急に対応を迫られるよりも、大きな混乱が回避できたような気がします。私たちは、計画的な行動と時には無計画な気まぐれ行動を繰り返します。災害の中でも、台風はあらかじめ予測できる内容ですので、計画的に行動できます。しかし、地震の時はとっさの判断が必要になりますね。  

 

さて、今日は平成の時代に加速した少子高齢化について、少し考えてみましょう。

 

1963年昭和38年・・・私も生まれていませんが、この年の100歳以上の数は全国にわずか153人だけでした。それが、平成元年には3000人を突破、平成30年には6万9785人と日本は、長寿大国となったのです。近い将来には、女性の平均寿命は90歳を超えると言われています。

 

「元気」に長生きしなければ・・・と誰もが感じるようになりました。福島にいる間、私の父は人工透析をしているので、医療機関のあるショートステイで過ごしています。福島へ行く前日に、施設を訪れると、残念ながら、元気なお年寄りの姿は、ごくわずかです。

 

現代医学の進歩は、寿命を長くすることに大いに貢献してきましたが、元気に長生きをすることについては、私たち個人によるところが大きいのが事実です。50歳を過ぎた私も真剣に考えます。周りへの配慮だけでなく自分の人生にとっても、「元気に長生き」することが幸せに決まっているのですから・・・

 

さて、明治維新があった1868年の日本の人口は、わずか3330万人でした。少ないですね。それが、2010年(平成22年)には、1億2805.7人と過去最高となります。そこから、急激に人口が減り続けているのです。寿命が伸びているのに、人口が減る・・そうです。少子化が加速しているからです。

 

平成初期のバブル時代の「トレンディドラマ」全盛期には、ホテルで派手に結婚する若者が多く見られましたが、ライフスタイルの変化や、自分らしさを大切にする生き方を意識する若者が増え、「結婚」「金がある」=幸福という単純方程式が崩れてきました。

 

第一子を産む平均年齢は30.7歳となり、第2子以降の出産が減ることにつながっています。今後30年間で、毎年50万~100万のペースで人口が減り続けるとも言われています。さいたま市の人口がざっと130万人ですので、毎年さいたま市の人口の半分が減り続けるという計算です。実感がわいてきましたか・・・。

 

少子高齢化で労働人口が減少していく中で、現実的には、日本の未来は外国人が支えることになっていくのでしょう。2017年の在留外国人は256万人です。今年4月から外国人の単純労働に門戸を開く改正入管法がスタートしました。2030年には550万人になると予測されています。

 

福島でも、大手企業の工場などがあり、外国人の姿をよく見かけました。「地方に出現する異国」がますます増えていくことは間違いないですね。

 

ここまで書いても、私には、少子高齢化を解決する具体策は浮かんできません。増大する社会保障費をカバーするのに、さらに消費税をアップさせることも、得策ではありませんね。

 

こんな、課題がたくさんのニッポンの未来を担うのは、今の子どもたちです。私たち大人は、この子どもたちへ、希望をつなぐだけでなく、きちんとかかわって、成長を促すことが義務とも言えますね。

 

子どもたちの笑顔がたくさんある国は、明るい未来があると私は信じています。