「答える」と「応える」

ホワイトきゃんばすのコアとして「自分で考えて自分で答えを出せる人に育てる」という考えが強くあるので、園長の私が、園児への細かい対応を先生一人一人に指導することなく、それぞれの先生の個性的な「自分で考える」指導が行われています。もちろん、金太郎飴のように同じ対応にはなりません。

 

子どもたちが、成長する過程で、色々な大人との関係を持ちます。先生であったり、パパやママの会社の人、近所のおじさんやおばさんもあるでしょう。それぞれ、考え方も違うし、掛ける言葉も違います。そんな、親以外の大人との出会いも、子どもたちを成長させます。

 

今月から、新人の先生がやってきました。元幼稚園教諭の経験を持つ保育士です。私からは、子どもの「問い」があっても、すぐに答えを出してはいけないよ・・・などと言っていませんでしたので、どんな対応をするか、聞き耳を立てていました。

 

「〇〇先生・・・これは、どうすればできるの?教えて?」といった内容の子どもの質問がありました。すると、新人の先生は、「○○君だったら、どうすればいいと思う?」と、すぐには答えずに、子どもの考えを引き出していました。園長としては、少しホッとした次第です。(笑)

 

さて、2歳3歳になって、言葉が出てくると「なぜなぜ?」期と言われるくらいに、ポンポン質問が飛び出てきます。その質問に、全て答えていると、子どもは、わからないことがあれば、大人に教えてもらえばいいや…になってしまいますね。

 

大事なのは「応える」ことです。「答える」とは、少し意味が違います。

 

「どうやったらわかるかな?」「誰かに聞いてみようか?」「いつもそうなるかな?」と、問い返したり、「本当に不思議だね」「面白いね」と共感したりする事で、子どもの探求心が進む場合が多いです。これが、「応える」ということです。別の言い方をすれば、次の一歩を示すこととも言えるでしょう。

 

もちろん、「答える」方が良いこともありますね。ここが、大人の対応の見せどころです。部下に対する上司の指導方法とも重なりますね。

 

保育園では、日頃から活発で声が大きい園児の「問い」は、聞こえやすいです。しかし、何をするにもゆっくりだったり、低年齢の園児の心の中に生まれる「問い」は、とても聴き取りにくいものです。

 

後者の「問い」をいかに引き出し、聴き取ることができるかが、とても大切なことなのです。