昭和の時代、大ヒットした萩本欽一さんのテレビ番組で、「良い子・悪い子・普通の子」のコントがありました。
テレビが流行っていた頃は、実際の学校でも、すぐに、良い子・悪い子・普通の子の見分けがついた時代です。悪い子は、見た目と比例して悪く、わかりやすい悪さをしていました。
しかし、今では、簡単に「良い子・悪い子・普通の子」の見分けがつきにくくなっています。ある校長先生の「思い込み」判断ミスの話です。
男子生徒が、休み時間にふざけて転倒し、頭部を打撲・・・意識もしっかりしており、外傷もないので、しばらく保健室で様子を見ることにしたそうです。保健室には、一緒にふざけていた同じ部活の仲間が、様子を見に来たのです。
けがをした生徒に、励ましの言葉を投げかけていたので、校長先生は、仲間を思いやる気持ちを褒めたそうです。一人は学級委員長でした。
これで、一件落着と思いきや、翌日、けがをした生徒の保護者から怒りの電話が入ります。けがの原因は、嫌がっているのに無理やり突き飛ばされたのであり、周りの生徒も皆笑っていたという内容で、今回が初めてではないと、母親は訴えたそうです。
そして、校長先生は、実際に調査をすると、保護者の訴え通りだったそうです。
「良い子」と思っていた学級委員長は、突き飛ばした張本人であり、「普通の子」たちと思っていた生徒たちは傍観者であり、「悪い子」と判断してしまったケガをした生徒こそが、忍耐強く頑張って学校生活を送っていた「良い子」だったのです。
どうですか・・・このようなことは、今では頻繁に起きているかもしれません。生徒たちの心の内が、見えにくくなっており、「なぜあの生徒が・・・」という場面に直面します。
先生たちの生徒を見る目も大切になってきますが、生徒が心を開くには、自分が理解されているかどうかにかかっているとも言えます。しかし、いつの時代も、生徒と正面で向き合うことに、変わりはありませんね。
私たち大人も、人を見る目・・・問われているのです。