今日は、二人の年中男子の素晴らしい出来事の紹介です。二人とも「俺が・・・俺が・・・」のタイプではなく、どちらかというと、自己肯定感の低い園児です。
S君は、自転車に早く乗れるようになりたいと思っているのですが、なかなか自ら練習することがなく、言われないと動かないタイプです。「S君。先生に自転車の練習をしようと言われなくても、自分でやりたくなったら言いなさい」と自主性を促していました。しかし、ここ数カ月、一向に動きません。
しかし、ついに、今日は「自転車の練習をしたいです!」と、自分で言ってきました。もともとストライダーは完璧です。あとは、補助付き自転車を力強くこぐことができればという段階でした。そして、今日は補助付き自転車もいい乗り方をしています。
「よし!自転車に乗ってみよう!」と言うと、自信をもって「うん!」と頷くS君です。
そして、ついに、30メートルしっかりと自転車を走らせました。教室に戻って、「自転車免許証」をみんなの前で交付します。ドヤ顔のS君・・・これで、寺子屋園児20名のうち、自転車に乗れる園児が16名になりました。ちなみに、2歳児で2名いますので、18名の「自転車免許証」が交付されたことになります。(自慢です)
次は、H君です。ペダルが取れてしまった自転車が1台ありました。園長も修理ができず、自転車屋さんに持っていこうと思っていたのですが・・・H君が、「えんちょうせんせい・・・こっちにきて・・・みてみて」と呼びに来ました。
すると、大人でも断念した、ペダルの取り付けをH君がやってしまったのです。もともと手先が器用な男の子ですが、凄いことをやってくれました。修理した自転車を持って、周りの園児たちに「この自転車は、H君が修理したんだぞ!」と言うと、「すげえ~!」の大合唱です。ドヤ顔のH君でした。
子どもたちの性格は、必ずしも外向的とは限りません。謙遜の文化を尊重する日本人の場合は、どちらかと言うと、子どもに限らず、内向的な性格の人が多いと言われています。
今日の二人の男の子は、典型的な「内向的男子」です。しかし、こんなすばらしいことをやり遂げる力を持ち合わせています。「口だけ」で、実行が伴わない大人よりも、ずっと立派ですね。
「子どもたちに自信を持たせてやりたい!」とは、どの保育園や幼稚園の先生も思っていることです。褒めることや認めることは、もちろん大切なことですが、頻度やタイミングは、すべての子どもが同じではありません。
これは、保育者の永遠の課題ですが、今日のような出来事を重ねていきたいですね。