愛のムチ・・・今はアウト!

昨夜は、大学時代の先輩が山形から上京してきたので、3学年が集合しての飲み会です。ざっと10年ぶりに、1つ下の後輩が顔を出したので昔話を楽しもうと思ったのですが、まじめな教育論となりました。(笑)

 

彼は、11年前に起業して、立派な経営者なのですが、それまでは、波乱にとんだ人生を歩みます。大学を卒業して、百貨店などの流通業界を目指していた彼は、「そごう」に入社しました。横浜そごうの外商マンとして、社会人デビューをします。

 

彼の実家は、典型的な町工場で、父親の仕事を見て育ちました。何度も経営危機に瀕したことから、「俺もいつかは起業するが、おやじと違う方法で、会社を安定させるんだ!」と思ったそうです。

 

父親のアドバイスは「いきなり起業しても失敗するぞ。必ず、民間企業で10年は世間や社会を勉強しなさい」でした。そして、百貨店の外商マンとして、トップセールスマンとなり、若くして管理職となります。

 

そして、「そごう」が破綻する前に、外商のお客様だった、ゴルフ場などを経営する会社の営業部門の責任者として、スカウトされるのです。しかし、カリスマ経営者が若くして亡くなると、娘むこが経営を担うことになります。同族経営によくあるパターンで、仕事ができる外様が、目の上のたんこぶとなっていきます。

 

しかし、新しい社長は、彼がいなくなると、売上が激減してしまうので、辞めさせず、うまく使おうと考えます。飼い殺しというやつです。すでに、この社長とは一緒に仕事はできないと考えた彼は、退職願を出すものの泥沼化し、結局、訴訟沙汰になるのです。

 

そして、裁判に勝ち、ついに彼は、今までの人脈を総動員して、企画会社を立ち上げるのです。

 

彼には、息子が二人いて、共に中学、高校時代を「野球部」で活躍します。次男は、昨年の夏の高校野球神奈川県の大会で、惜しくも決勝で敗れた「鎌倉学園」のレギュラーメンバーでした。「鎌倉学園」は、あのサザンオールスターズの桑田佳祐さんの出身高校です。

 

ようやく本題に入ります。彼は、野球部の監督に「息子がやがて社会に出て、まっとうな大人になってもらうよう、厳しく指導してください・・・ケツバットどんどんやってください!」と伝えます。そして、同じような考えをすべての親が思っていたそうです。

 

どうも、アラウンド50の親の世代は、「愛のムチ」に寛容です。しかし、今の常識では、「ケツバット」はアウト!です。

 

時代が変わり、私たちの世代とて、変わらねばならないことを、しんみり語り合ったのです。同じ行為でも、かつては、指導者によって、「愛のムチ」で許されることがありました。これからは、そういうわけにはいきませんね。

 

難しい世の中ですが、「子どもたちのために」を考えることは、今も昔も変わらないですね・・・う~ん、分かっていても、少し喉に骨がつかえているのです。