世界の部活動

日本において、中学や高校の部活動は学校教育の中で、当たり前の存在とされています。しかし、世界を見ると、日本の部活動のあり方は、少数派のようです。

 

学校を主な場所としてスポーツに取り組む国は、日本の他に、中国、韓国と東南アジア地域に集まっています。しかし、日本のように、ほぼすべての学校で部活動が行われているのではなく、中国や韓国では、特定の学校が、「選手を育てる」目的で行われているようです。

 

ヨーロッパ諸国では、学校ではなく、地域のクラブが主なスポーツの場になっています。サッカーなどは、その典型的なパターンですね。

 

一方、アメリカでは、日本と同じように、ほぼすべての中学校と高校に部活動がありますが、生徒の加入率は3~5割だそうです。部活の指導者を紹介するなどのビジネスが定着し、豊富な資金を持つ学校は、競技力を高めるためにさらにコストをかけます。

 

商業主義となり、勝利至上主義も根強く、ドーピングが高校生の間で広がるリスクも抱えていると言われています。

 

イギリスでも、ほとんどの学校に部活動があるものの、政府が福祉・教育の予算を削った結果、公立学校の教員は、部活動から手を引き、生徒の加入率も5割ほどで活発ではないそうです。

 

こうして見ると、日本の部活動は国際的には、「非常に大規模で、多くの子どもに提供されている」というのが特徴です。誰でも手軽に参加でき、全国大会も活発に行われているので、この点では、海外の研究者からは「アメージング!」と評されるそうです。

 

しかし、日本の学校は、部活などの課外活動にかけた時間は、世界平均の3.5倍以上だそうです。これでは、教員の負担はなかなか少なくなりませんね。

 

今日は、日本の部活動が、いいとか悪いとかいう話ではなく、世界との違いを確認しました。日本の子どもたちにとって、どんな部活動のあり方がいいのかは、私たち大人が考えないといけませんね。