今日の園長課外授業は、小学生と年長園児を連れて、保育園から近い牧場に行きました。「さいたまに北海道がある!」がキャッチコピーの榎本牧場です。荒川のサイクリングを楽しむ人たちの休憩スポットになっています。目的は、ミルクジェラートです。(笑)
この牧場には、牛以外にたくさんの動物がいます。クリスマス発表会の「ブレーメンの音楽隊」に出てくる、ロバ・犬・猫・おんどりが勢ぞろいです。今日は、一昨日生まれたばかりの、子牛を見る事ができました。「人間は、生まれてから1年ぐらいしないと立つことはできないけど、牛は、生まれてすぐに立てるんだよ・・・」に「へぇ~」の子どもたちです。
さて、今日はある若手教員の話です。ギャップというのは、教員になっての理想と現実のギャップの話です。
「教員となったら子どもたちと同じ目線で、一緒に考え、毎日の学校生活を楽しいものにしたい」と希望に燃えていました。しかし、実際に教員になってみると、今まで考えていた景色とは違って見えたそうです。クラスの子どもたちからの、担任である自分に対する期待に気が付いたそうです。
「面白い話をしてほしい」「分かりやすく教えてほしい」「もっと話を聴いてほしい」「きちんと叱ってほしい」と、その期待は多岐にわたっていました。そして、子どもたち一人一人の期待に応えようとすればするほど、クラスがまとまらなくなっていきました。
その教員は、集団生活の中でのルールやマナーを守るという自分のイメージを持ちながら、クラス運営をしたそうです。子どもたちを管理し、効率よく自分の思い通りに行動させたいという欲求と戦いながら、「どうして教師になったのか」の初心を忘れないようにしていると、言います。
教員に限らず、どんな仕事でも、理想と現実のギャップが必ずあります。私も洋菓子の会社に就職したので、「夢とロマンのスイーツで、お客様に喜んでいただける仕事がしたい」という理想を持っていました。しかし、実際には、売上を上げなければならない・・得意先との折衝に勝たねばならない・・社内での人間関係や根回しに時間がとられる・・など、スイーツの会社でありながら、甘いことは一切ありませんでした。
冷静に考えれば、「よのなか」はそんなものです。人生、すべて自分の思い通りに歩んできた人などいないのです。
保育園のママやパパの本音は、できれば、我が子が辛い思いをすることなく、安心して日々を過ごしてほしいと考えます。しかし、あるママはこう言います。「我が子が、保育園の集団生活の中で、たくさんの試練を経験して欲しい」と。
試練とは、自分の思い通りにいかないことです。まさに、我が子がやがて大人になり、社会に出た時に、自分の思い通りにいかないことがあっても、自分のやり方でそれを克服して欲しいという願いです。
どうですか、大人の私たちも「ギャップ」を前にして、たまには、乗り越えたり、戦わないといけません。戦わずに勝つというやり方もあります。柔軟な考え方が必要になってきますね。