昨日の延長保育で、5歳女の子が遅くまでいたのですが、「園長先生・・・折り紙やってもいい?」と言うので、ずっと折り紙をしていました。私は、ほとんどできないので、「凄いなぁ~」と見守るだけですが、彼女は、朝顔を上手に作っています。
「園長先生・・・ここをこう折って・・・ハサミで切って・・・」と解説をしながら、楽しそうに次々と作品を作っています。職員の小学2年の息子も、折り紙の天才で、薔薇を作るほどの腕前です。
そんな日本の文化と言える「折り紙」が、南アフリカのケープタウンにある小学校の放課後の課外授業で行われているそうです。現地在住の日本人、モーガン香子さんが小学4年~6年の児童に教えています。
南アフリカの公立小学校は、体育や図工の授業は週1回程度で、英語や算数、科学などの座学が中心だそうです。比較的裕福な地域では、親がお金を出し合って教師を雇うなど、様々な課外授業を用意するそうですが、貧困地域の学校では、教師の数も少なく、十分な数や種類の課外授業を用意できないので、モーガンさんは、無償ボランティアで折り紙を教えているそうです。
すべての子どもたちが平等に教育が受けられる日本の公立小学校とは、ずいぶんと違いますね。
「きれいな紙を使って、美しい形を作れるのでうれしい。家で妹にも教えている」「折り紙を始めてから、集中力がついたと思う」という子どもたちの声です。南アフリカでは、地域によって治安が悪く、ギャングによる抗争で銃撃戦発生することも珍しくなく、子どもたちは、この厳しい現実の中で生きています。
「将来に希望が持てず、何かを達成した経験に乏しい子どもたちは、自己肯定感を持てないままとなる。課外授業は児童に自信を与え、通常の教科とは異なる重要性がある」とある校長先生は言います。
テレビ番組で「こんなところに日本人」が、活躍しているシーンを見ることがありますね。南アフリカは、アパルトヘイト(人種隔離政策)が終わっても、貧困の連鎖が止まっていない現実があり、小さなことかもしれませんが、折り紙で得た自信が将来、新たな挑戦への力となれば・・・モーガンさんは、子どもたちに折り紙を教えているのです。
世界で活躍する日本人を見ると、なんだかこちらまで誇らしく思いますね。保育園の子どもたちの中から、世界で活躍する人材が育ってくれることを期待して・・・折り紙を折る子どもたちを見守ることにします。