2020年には、東京オリンピックが開催され、「クールジャパン」と言われるように、日本の文化や美しさが、世界で注目を集めています。しかし私たち日本人は、どれだけ日本の文化や伝統を知っているのか・・・外国人に、歌舞伎や浮世絵のことを質問されても、ろくに答えることができない日本人が多いのも事実です。
「やばい!」「超○○」といった、美しい日本語とは対極にある若者言葉も気になるところですが・・・ところで、みなさんは、教科として「日本語」があるのをご存知ですか。「国語」ではありません、「日本語」です。
実は、東京都世田谷区、新潟県新発田市、佐賀県鳥栖市の3つの自治体で、小学校、中学校の義務教育9年間で、独自の「日本語」の教科書が使われています。
もちろん、「日本語」は、学習指導要領にはない教科です。しかし、「教育課程特例校制度」を使って、実現させたそうです。
「日本語」の教科って、どんなことをするのか、気になりますね。
世田谷区では、小学校低学年(1・2年)、中学年(3・4年)、高学年(5・6年)、中学校では、「哲学」「表現」「日本文化」の3つで、合計6冊の「日本語」の教科書があるそうです。自治体独自の教科書だそうです。
小学校なら・・
日本語の響きやリズムを楽しもう
季節を感じることばをさがそう
昔から伝わる遊びを楽しもう
一冊の本から広げよう本の世界を
日本の伝統文化にふれよう
中学なら
「哲学」→生きることについて考える
「表現」→レポートを書こう
「日本文化」→外国人から見た日本
こんな内容が、盛り込まれているそうです。歌舞伎の鑑賞会を行い、歌舞伎の「息をつめる」ことについて考える・・・とか、百人一首大会を行って、日本語を大切にする取り組みも行われているとのこと。
個人的には、大好きな領域ですが、国際人になるには「英語」をしっかりとやらなければならないという風潮がありますね。しかし、明日の日本を担う若者たちが、「国際人」として世界に通用するかどうかは、日本人としての大きな核というか、アイデンティティというか・・・そんなものが基礎にないと、いけないような気がします。
「日本語」の教科は、なんだか奥深いですね。