今年のサマーキャンプで、埼玉県飯能市にある「あけぼの子どもの森公園」に立ち寄りました。ここは、フィンランドの作家、トーベヤンソンとムーミン谷をモチーフにした公園です。子どもたちは、おとぎ話に出てくるような素敵な空間に、完全に魅せられてしまいました。雨で、メインの川遊びができなかった代わりに行った場所ですが、子どもたちは、サマーキャンプでの大きな思い出の1つとなっています。
そして、同じ飯能市にある宮沢湖周辺に、来年の2019年3月16日、日本初のムーミンのテーマパークがオープンします。子どもたちと一緒に行くなら、ムーミンや多くのキャラクターとの出会いやムーミン谷の世界観を単純に楽しむのがいいでしょう。
今日は、大人のためのムーミンの話です。
「ムーミン谷の彗星」の作品で、スナフキンなどの主要メンバーが登場するのですが、トーベヤンソンは、この彗星を広島長崎に投下された、原子力爆弾を重ねているといわれています。
トーベヤンソンもまた、戦争による悲劇から、このムーミンを描く強いモチベーションが生まれたといいます。
ムーミンパパが建てた4階建てのムーミン屋敷の玄関には鍵がありません。また、ムーミンの登場人物は、人間ではない様々な生き物です。そこには、人それぞれ、違いがあっても、それを認め合う生き方が描かれているのです。
そして、ムーミンに出てくる登場人物は、必ず悩みを抱えています。例えば。ムーミンの苦手なことは、ひとりぼっちになることです。人それぞれ悩みを抱えながらも、助け合って生きるんだよ・・・というトーベヤンソンのメッセージが伝わってきます。
最後に、私の大好きなキャラクター、自由な旅人「スナフキン」の素敵なセリフをいくつか紹介します。
「大切なのは、自分のしたいことを自分で知ってるってことだよ」
「何でも自分のものにして持って帰ろうとすると難しいものなんだよ。ぼくは見るだけにしてるんだ。そして立ち去るときにはそれを頭の中へしまっておくのさ。そのほうがかばんをうんうんいいながら運ぶより、ずっと快適だからね。」
「僕は自分の目で見たものしか信じない。けど、この目で見たものはどんなに馬鹿げたものでも信じるよ」
「ありがとう。でも、いまも考えたんだけどもちものをふやすということは、ほんとにおそろしいことですね」
「人と違った考えを持つことは一向にかまわないさ。でも、その考えを無理やり他の人に押し付けてはいけないなあ。その人にはその人なりの考えがあるからね」
「何か試してみようって時には どうしたって危険が伴うんだ」
「この世にはいくら考えてもわからない、でも、長く生きることで解かってくる事がたくさんあると思う。君たちも大人になればわかるさ。ある意味で、大人は子どもよりももっと子どもみたいになることがあるんだよ」
ムーミンの物語の中では、スナフキンの言葉はまだまだたくさんありますが、どうですか。私たちが生きる上での、とってもシンプルな事を教えてくれるような気がします。