運動会の練習が始まると、とくに「かけっこ」では、明確に勝ち負けがつきます。そして、子どもたちには、勝つことも負けることもある・・・勝ちたいならどうすればいいのか、自分で考えなさい。となげると、「練習頑張る!」と勝気の園児は言います。
しかし、今日の保育園では、勝ち負けがつけられない事態が発生しました。
土曜日だったので、3人の小学生と2人の年長園児が、「明日で、あむろなみえが引退するんだよね~」という話で盛り上がっています。「みんな安室奈美恵知ってるの?」と聞くと、母親の影響でヒット曲もよく知っています。ママ世代は、アムラーだったかもしれませんね。
私が一番印象に残る安室奈美恵さんは、デビュー間もない頃に、ひらけポンキッキーズのテレビ番組で、鈴木蘭々さんと、かぶりもので歌っていた頃です。安室奈美恵ファンには申し訳ないですが、ポンキッキーズの印象が、今でも鮮明に覚えていますね。
保育園の子どもたちに「園長先生、問題出して!」と催促されることが多いので、「じゃ、安室奈美恵の問題です。彼女が、14歳の頃に、テレビで活躍した子ども番組は何ですか?」
・・・おかあさんといっしょ・・・はじめてのおつかい・・・ドラえもん・・・と珍回答が続出。「ヒントはガチャピンにムックが出ているよ~」・・・しかし、子どもたちの反応はなしで「ガチャピンって何?」です。(笑)
そんな子どもたちが、「あむろなみえの似顔絵を描こう!」とお絵かきが始まりました。どの絵も、洋服、髪型、色づかいなど、安室奈美恵に似ているのではなく、自分の憧れの女の子・・・といった素晴らしい絵が5枚アップしました。
ここからが事件です。子どもたちが「園長先生・・・誰の絵が上手か一番を決めて!」と言うのです。子どもたちは、自分が一番という自信があるのか、「園長先生早く決めて!」と凄んできます。(笑)他の先生にも、「一番はどれ?」と言っています。
「園長先生は、どの絵も素敵だと思うから、一番は決められないなぁ~絵は、かけっこと違うから、人それぞれ、どれがいいのか違ってくるんだよ・・・でも、この5枚の絵は、みんな一番かな~」と、大人の模範解答を言うと、子どもたちの顔は「納得できない」の表情です。(笑)
人生は、勝つことより負けることの方が多いので、負けることから多くを学ぶと考える私ですが、子どもたちに「勝ち負けがつかない事」をしっかり教えたことがなかった気がします。
かけっこで、みんな手をつないで「一等賞」でも、「ここは引き分けにしておこう」とい大人のグレーな判断ではなくて、「安室奈美恵の似顔絵に見る・・・勝ち負けがつかない事」も、私たち大人は、子どもに伝えないといけませんね。難しい・・・ですが。