算数や数学など、数字が並ぶだけで、「もうギブアップ!」という人も多いかと思いますが、現実的には、数字こそ世界共通語ですね。数字には、あいまいさやグレーゾーンなどありませんから、真実がつかみやすいのです。
日常生活の中でも、「あと少し右によって・・・」という表現よりも「あと10センチ右によって・・・」と言えば、誰にでもわかりますね。
もちろん、ここで言う数字は、難しい方程式ではありません。ご安心ください。
こんな数字がありました。発泡酒や第3のビールを含めたビール類の出荷量は、統計開始以来の最低値を2017年まで、13年連続で更新しているそうです。そんな中で、ビールに限れば、2017年に2人以上の世帯が支出した額は、平均1万1213円で、前年を516円上回ったとのこと・・・
「そうなんだ!ビール飲む人が増えたのか・・・」と思ったあなた。ちょっと待ってください。実は、量販店などの行きすぎた酒の安売りを防ぎ、町の小売店を守る狙いの改正酒税法が、17年6月に施行されたのです。
「売上=客数×客単価」ですから、改正酒税法でビールの価格が上昇し、支出が増えただけというのが、真実です。
しかし、数字の検証は、これで終わりではありません。
ビール類の中では、純粋なビールだけが伸びているということは・・・
「お客様は、節約するだけではなく、価値のあるものには支出する傾向にある。ならば、こだわり商品や希少性の高い商品など、付加価値の高いビールなら売れる・・・」
「日本人は、ざっと1人年間で、5600円しかビールを飲んでいない。350ミリリットルでたったの28本じゃないか。本物のビールを追求すれば、まだ伸びしろがあるんじゃないの?」
と仮説をたてることができます。あとは、ビール会社が、さらに深い戦略を考えるだけですね。
子どもたちと話をする時に、「もうちょっと・・・」「たくさん・・・」などの言い方ではなくて、「あと2センチ・・・」「10リットルで・・・」と具体的な数字で表現する癖をもちたいものです。数字から真実を読み取ることが得意な大人になってもらいたいですね。