あめんぼうの話

屋上には、あちこちに水たまりが出来ていました。さっそく、4歳男の子が「あめんぼうがいるよ!」と大騒ぎです。男の子の声で、「なんだ・・・なんだ・・・」と、どろんこ広場の前の大きな水たまりに、子どもたちが集まってきました。

 

10匹以上のあめんぼうが、水たまりの上をスイスイ泳いでいます。あめんぼうは、カブトムシやクワガタと同じ昆虫ですが、あまり注目されることはありませんね。

 

それなら、あめんぼう採集をして、じっくり観察することにしました。「みんな~あめんぼうを捕まえて、ケースに入れて・・・」と、子どもたちの、あめんぼう採りがスタートです。

 

最初は、3人の園児しか、あめんぼうを捕まえることができなかったのですが、ザリガニやクワガタと違って、ハサミがあるわけでもないので、次々とチャレンジする子どもたちが増えていきます。

 

最初は、優雅に泳いでいたあめんぼうも、子どもたちから、必死で逃げます。それでも、飼育ケースには、10匹ほどのあめんぼうが集まりました。そして、あめんぼうの観察会がスタートしました。わたしも、初めてじっくりと、あめんぼうの体を見つめていました。飛ぶこともできるので、まるで蚊のような感じです。

 

あまり気に留めることのない虫ですが、よく見ると6本の脚があります。脚全体に細かい毛が密生しています。これで、水の表面張力を利用して、水面上に立ち、自由に移動するそうです。

 

実は、あめんぼうはカメムシの仲間で、カメムシ同様に捕まえると匂いを放つそうです。今日は、あまり感じられませんでしたが、この匂いが飴のようだということが、「アメンボ」の名前の由来だそうです。

 

あめんぼうは、肉食性です。水面に落ちた昆虫や、魚の死骸から液体を吸汁します。成虫の寿命は、1か月程度で、セミよりは、長く生きていられるようです。

 

残酷なので、やりませんが、水の中に石鹸などを入れて表面張力が弱まると、あめんぼうは、溺れて死んでしまうそうです。

 

どうですか・・・少しは「あめんぼう」に興味を持っていただきましたか?梅雨時の水たまりに、あめんぼうを発見したら、じっくり観察してみるのも贅沢な時間です。(笑)