賛否と向き合う生き様

私が物心ついた子どもの頃・・・男性のアイドルの象徴が、西城秀樹さんでした。「傷だらけのローラ」では、マイクを蹴飛ばすパフォーマンスに、賛否両論の大騒ぎです。

 

私の母は、「歌手なのに、商売道具のマイクを蹴るなんて!」と否定的でしたが、当時小学生だった私のクラスの女子は、大興奮です。そして、あの熱唱的な歌い方は、男の私でも迫力を感じました。

 

単純に、歌がうまいと私は思っていましたが、この歌い方も、セオリーから逸脱していると、否定的な評論家もたくさんいました。

 

西城秀樹さんは、ロサンゼルスのタクシーのラジオから流れた曲に「ノリのいい歌だな~」と心をとめたそうです。のちの大ヒット曲「YOUNG MAN」としてカバーする英語の原曲です。

 

「外国の曲のカバーは日本では売れない」と当時の音楽協会の猛反対を若さと情熱で押し切った西城さんは、YMCAを人文字にする振りも勢い任せで考えたそうです。そして、挑戦の成果は、日本全国のお茶の間で、老若男女、テレビの前で「YMCA」の人文字パフォーマンスですね。今でも、カラオケで「YOUNG MAN」が流れると、みんなで「YMCA」で大盛り上がりです。(笑)

 

人は、どうしてもまわりから「賛成」を求めてしまいます。それは、無難な生き方とも言えます。西城秀樹さんがやって来たことは、半分は「大反対」へ、強い心で立ち向かう生き方だったと思います。半分の「賛成」を心の糧として、次々と新しいことに挑戦していったのです。

 

賛否と向き合う生き様に・・・心よりご冥福をお祈り申し上げます。