リオオリンピック男子4×100メートルで銀メダルを獲得した日本チームは、個々の成績では、当時誰一人100メートルで10秒を切る選手はいませんでした。しかし、バトン技術やチームワークで、メダルを獲得したのです。
そして、昨日の平昌オリンピックでは、女子パシュートが金メダルです。これも、決勝を戦ったオランダの3人の選手とは、個人記録の合計では、まったく太刀打ちできません。「個の力のオランダ」に対して、「和の力の日本」が勝ったと、よく言われますが、そんな簡単なものではないようです。
一糸乱れぬ美しい隊列は、先頭を走る風圧やスタミナ配分など、まさに科学的な分析による勝利だったようです。和の力と言うと、精神的な力と勘違いされますが、データに基づく合理的な勝利と言えるのです。
さて、今日は、進路指導の先生の話です。かつてのように、「とりあえず大学に行っておけば・・・」という時代が終わり、先行き見通しにくく、学歴だけでは通用しない時代にあって、中学や高校の「進路指導主事」に求められるスキルが、とても高くなっているそうです。
校長の指名を受けて、生徒の進学や就職に関する事務を担当する先生たちは、生徒の進路が多様化する中で、入試対策やキャリア教育などを通じて、子どもたちを最適な道に進ませようと試行錯誤を続けています。
予備校、大学などとの対外交渉や他校との情報交換、そして、子どもたちの就職先となる企業へも足を運ぶ日々は、限りなくビジネスマンに近い先生ですね。当然、世の中の変化に敏感でなければなりません。パシュートではありませんが、データ分析も必要です。様々な情報に対して、的確なアンテナを持たなければ、この仕事は務まりませんね。
進路指導主事の中には、転職を経験して教師になった人も多いようです。転職経験が、生徒指導に大きく活かされるからです。
「進学先を選ぶ時、希望より確実に合格できることを優先する生徒も多い。でも、入試はゴールではなく、夢の実現に向けた一つのステップなので、自分の思いや何がやりたいかをを大切に・・・」「仮に失敗しても、成功するチャンスはこれからもある。リラックスして試験に臨んでほしい」と語ります。
私たちは、大人になった今では、「長い人生だからこそ、じっくりと時間をかけて考える必要がある・・」などと言えますが、中学、高校生にとっては、道しるべが必要ですね。そして、最後は自分で決めるように、持っていかねばなりません。
私の長男が、工業高校を卒業して就職するにあたっては、進路指導の先生に大変お世話になったようです。そして、やりがいのある会社に就職し、まだ20歳になったばかりですが、社会人2年生として、しっかりと稼げる男になっています。
明確な目的のないまま大学へ行く、学費泥棒のような若者(私もその一人でしたが・・)よりも、よっぽどちゃんとしています。過去の私より、何倍も立派です。(笑)
進路指導の先生が、もっと注目されて、学校の中心となって活躍してもらいたいと、心から思う次第です。