今の私のパソコンの壁紙は、子どもたちが節分の時に、鬼の面をつけた集合写真です。自分で作ったということもありますが、「お面が怖い~!」と泣く園児は一人もいません。
ここ数年、ちまたでは、鬼のアプリを活用する親が多いと聞きます。子どもが言うことを聞かない時に、鬼に連絡して子どもを脅かして、しつけに利用するです。「こどもの恐怖心をあおるなんてとんでもない!」と思う方もいるでしょうが、ホワイトきゃんばすの子どもたちには、通用しません。
読み聞かせで、よく登場するのが「泣いた赤鬼」です。登場する赤鬼も青鬼も、心優しい鬼なので、いつの間にか、子どもたちは「鬼は怖いモノ」というイメージが薄れてきているのかもしれません。
「おにたのぼうし」という絵本があります。あまんきみこさん作で、いわさきちひろさんの絵が印象的な絵本です。
ストーリーは、節分の日に子どもの鬼のおにたが、帽子をかぶって人間の子どもに成り済まし、母親を看病する優しい女の子にごちそうを持っていくという内容です。
しかし、女の子はごちそうを喜んでくれるのですが、鬼の子を前に「おにがくれば、おかあさんの病気がわるくなる」と言うのです。その言葉にがっくりしたおにたは、「おにだっていろいろあるのに」とつぶやき、その場から消えてしまうのです。
たぶん、この本を子どもたちに読んだら「鬼だって、悪い心だとは限らない」という園児がいることでしょう。ひょっとしたら、「人間だって悪い人はいるよ」という子も出てくるかもしれません。
保育園の豆まきの時に、先生が子どもたちに言ったセリフは、「鬼は外・福は内だけど、鬼は、みんなの心の中にいる、『泣き虫鬼』や『意地悪鬼』『好き嫌い鬼』だよ」でした。
子どもたちにとって、会ったこともない鬼が、「鬼は怖くて悪いモノ」というイメージから、「鬼は自分の心の中にいるのかもしれないな~」と思うようになれば、また一歩、心の成長と言えるかもしれませんね。