今から23年前の1995年1月17日午前5時46分に、阪神淡路大震災が発生し、6000人以上の命が失われました。今朝の神戸は、冷たい雨でしたね。
神戸の洋菓子メーカーに勤務していた私は、当時は、関西ではなく、東京勤務でしたので、大宮そごう百貨店のバレンタイン特設コーナーで、ディスプレイをしていました。震災の報道はニュースで見ていましたが、本社がどうなっているのか、神戸の仲間たちは無事なのか・・・携帯電話もない時代ですが、通常の電話はまったくつながりません。
情報も少なく、状況も分からない状態で、バレンタインの陳列どころではありませんでした。そして、刻々と伝わる大惨事の現実に、言葉を失います。関西の仲間たちの生々しい話を後日聞くことになるのですが、私の中では、一生風化しない出来事です。
1995年の高校野球は、震災直後の状況では開催が危ぶまれました。甲子園球場は、震災の中心であった兵庫県にあります。しかし、関係者のご尽力や、「高校野球で元気を与えたい・・・もらいたい!」という、球児やファンの力で、春、夏とも行うことができました。それは、復興への大きな勇気となりました。
しかし、震災直後は、練習をする球児に対して「こんな時に、のんきに野球している場合じゃないだろう~」という罵声も浴びせられたそうです。
バレンタイン商戦も、震災直後は「バレンタインで、チョコレートなんか買っている場合じゃないだろ~」という世論が起きました。しかし、すぐに「震災で、崩壊寸前の神戸の洋菓子メーカーを救うために、チョコレートを買おう!」という、逆の風が吹きました。
当時、営業マンの私は、神戸ブランドを優先して、バレンタイン特設コーナーを組んでいただいた百貨店バイヤーの優しさにも触れることができました。
「困っている時は助ける」「落ち込んで何もしないのではなく、少しでも前に向かって動くことの大切さ」を学びました。
23年目の5時46分・・・あらためて、多くの犠牲者のご冥福をお祈りします。