子どもたちのケンカの原因

保育園では、子どもたちのケンカは日常茶飯事です。ケンカが始まると、困った問題だと考えるか、子どもたちの成長のチャンスと考えるかでは、大きな違いがあります。もちろん、すべてのケンカを成長のチャンスとしたいところですが、現実は、「何で、こんな、くだらないことでケンカするんだよ」ということも、しばしばありますね。(笑)

 

子どもたちのケンカについて、面白い考え方を見つけました。

 

子どものケンカは、相手を怒らせる態度や言葉がトラブルの原因に見えます。しかし、そのような態度や言葉は不満や不快感を噴出させるきっかけでしかなく、根本の原因は「うまく考えが伝わらない」というストレスが蓄積していくことだという考えです。

 

これは、どこにでもある姉妹の会話です。姉が妹に「おもちゃ貸してよ!」と言います。これでは、当然妹は貸しません。そこで、姉は言い方を変えました。「ちょっと試したいことがあるんだけど、すぐに返すからおもちゃ貸してくれない?」と言うと、すんなり妹がおもちゃを貸したそうです。

 

つまり、意図が伝われば、共通理解が生まれ、関係が円滑になるのです。理屈ではわかりますが、言葉を上手に使いこなすことは、大人でも難しいですね。そこで、考えの上手な伝え方をロボットで練習するプログラムがあるそうです。

 

それは、アームロボットで、「箱のふたを開けること」をどんな言い方で指示をするのかを練習するのです。

 

そのアームロボットに「箱を持って、ふたを開けてください」と言うと、ロボットアームは、ふた部分をわしづかみで持ち上げて、その後はどうにもなりません。「箱の横を左手に持ち、右手で開け口をつまんで、ふたをめくってください」と指示すると、見事クリアです。

 

子どもたちは「分かってくれない」と、相手のせいにしてしまいがちです。しかし、言葉通りに動くロボットを見て、自分の言葉の不適切さに気が付くのです。これは、大人の会話でも大いに当てはまります。言い方ひとつで、相手への伝わり方は180度違ったものになってしまった経験は、誰もがしていますね。

 

保育園での子ども同士のケンカや、おうちでの兄弟げんかの仲裁に入る時に、「言葉の使い方が悪くて、上手く相手に伝わっていなのでは?」という視点で、ケンカの原因を考えることが必要ですね。

 

ちょっとだけ、視点を変えてみると、わかってくることが多いかもしれません。