「教師」は、学校で子どもたちと対峙し、「上司」は、企業などの組織で部下と対峙します。一見全く畑違いの仕事のように思われますが、「教師と上司には共通点が多い」と、「ぬまっち先生」こと、東京学芸大附属世田谷小学校の沼田教諭が語ります。
彼は、「子どもたちの意欲を引き出すためには何をすればよいか?としばしば聞かれるそうです」しかし、そんな特効薬的なモノや言葉はないと言います。
「やる気はコップに水がたまるようなもの。日頃から信頼関係の水をためなければ・・」と断言します。これは、まさに、学校の先生が児童、生徒から信頼されるのと同じように、一般企業で、上司が部下からの信頼がなければ、いい仕事ができないのと同じです。
沼田先生によると、「どうしてやってこないのか」「なぜ遅れたのか」などの質問は、余計なウソをつかせてしまう。ウソをつくとコップの水が減る。また、「いい質問だね」と言うのも、相手は教師や上司が求める答えしか出さなくなると言います。
では、どうすればいいのか・・・タイムリミットは自分で言わせる。何時にできるかを尋ねて「12時です」と言わせたら勝ち。遅いと思ったら「もう少し早くできないか」と交渉する。遅れたら「話が違う」と指摘する。このようなやり取りは、私がサラリーマン時代によく使った手です。「お前が決めたことだろうが・・・」が、私の乱暴な口癖でした。(笑)
しかし、もう一つ上の信頼関係を沼田先生は、「部下から、目の前でいじられたら(からかい気味で話題にされたら)おいしい」・・・要は、生徒からも部下からも「何を言ってもよい」という安心感が信頼関係の基本になると言います。
私の場合は、園長として、子どもたちにいじられるくらいでないとアカンと言うことなのでしょう。子どもたちの安心感を引き出すことが大切ですね。