協力し解決する力・・・日本2位

今日は、久々にイエナプランの勉強会がありました。初めて参加するメンバーが、アメリカでの海外留学経験の話をしてくれました。

 

「とにかく、自分の考え方をしっかりと意見できない人は、評価されない。ペーパーテストの成績以上に重要視される内容・・・」と強調します。

 

日本に多く見られる一斉教育ですが、外国人の教師から言わせると、「一斉教育をさせたら、日本の教師の右に出る者はいない」だそうです。これは、皮肉ではなく、短時間に、多くの子どもたちに関して、一定のレベルの学力を身につけさせるスキルは評価されているということです。

 

戦後の日本が、大きく経済成長を遂げるそのベースには、たくさんの理由があるのでしょうが、子どもたちへの「一斉教育での、平均学力の向上」もその一つと言えます。

 

経済協力開発機構(OECD)は、15歳を対象に2015年に行った国際学習到達度調査(PISA)のうち、グループで協力して課題を解決する力を測る「協働問題解決能力調査」の結果を21日に公表しました。

 

日本は、調査に参加した52か国・地域で、シンガポールに次ぐ2位だそうです。グローバル化が進む現代社会では、多数の人の知識や経験を生かして物事を成し遂げることが重要だと言われる中で、見事に2位というわけです。

 

まるで、世界陸上の4×100メートルのリレーで、個々の成績では世界レベルまで到達していないけど、4人が協力すると銀メダルになるという感動のシーンとかぶります。

 

しかし、同時に行われたアンケートでは「異なる意見について考えるのは楽しい」と答えた生徒は、参加国中で最低の67%(全体平均85%)と最低だったそうです。人間関係づくりを重視した学校教育の成果で2位となったものの、異なる意見を認めることが苦手な事もわかってしまいました。

 

これからの時代・・・すでに、日本の多くの企業でも、「イエスマン」ではなく、自分の考えを意見できる人材が求められます。そうなれば、自分とは異なる意見と、どうやって対峙していくかのスキルが求められます。日本人が、自己肯定感が低いと言われるのも、多くの異なる意見の中で、自分の主張を訴える力が弱いからです。

 

これは、自分の意見を押し通すということではありません。異なる意見が出る中で、柔軟にベストの考え方に修正することができる力も合わせて必要だということです。もっともっと、日本の若者が「異なる意見について考えることを楽しむ」ようになってもらいたいですね。