老舗の逆襲

皆さん、「老舗」というと、どんなイメージが浮かびますか。私が今、身近に感じるのが、55年続いた、モロゾフのカスタードプリンです。ガラスの容器に入った美味しいプリンです。関西の家には、必ずモロゾフのカスタードプリンのガラス容器がコップ代わりにあるそうです。

 

スーパー、コンビニに行くと、様々なカスタードプリンが売っていますが、原料表示を見ると、聞いたことがないような横文字の原料がたくさん並んでいます。モロゾフのカスタードプリンには「卵・牛乳・砂糖」以上です。日持ちは、製造日を含めて4日間しかありませんが、一度食べてみると、55年続く理由が分かります。

 

実は、東京商工リサーチによると、2017年の時点で、創業100年以上となる老舗企業は、全国で30,000以上もあるそうです。最古の老舗企業は、社寺建築の株式会社金剛組で578年創業で、これは、現存する世界最古の企業だそうです。

 

また、200年以上続いた企業は、日本3141社・ドイツ837社・オランダ222社・フランス196社と、日本には、長く続いた企業の数は、世界でも一番です。しかし、そんな日本でも、老舗と言われる、長く続いた企業や商品が、どんどん消えていっています。

 

池井戸潤作の「陸王」のドラマがスタートしました。埼玉県行田市は、全国の8割の足袋の生産を誇ったところです。かつては、100以上あった足袋屋が、今では数えるほどに・・・そんな「こはぜ屋」が舞台のドラマですが、ドラマの枠を超えて、まるで映画のように、ストーリーにのめり込んでいきますね。(笑)

 

足袋作りの泥臭い登場人物たちが、壁にぶつかりながらも、前に進む姿は、職人だけでなく、「このドラマを見て月曜日からの仕事を頑張ろう!」というサラリーマンも多いそうです。私も、そんな一人です。(笑)

 

老舗の逆襲・・・長く続いたものを大切にしながらも、時代に合わせて形を変えていく勇気と柔軟性が必要です。本物の老舗は、「変えない」ではなく「変える」ことができる企業かも知れません。

 

そう言えば、モロゾフのカスタードプリンは、55年の間で、ガラス容器は半分以下の重さに変えています。変わることは勇気がいりますが、人は変わることが必ずできるのです。