任せてやらねば、人は育たず

保育園の子どもたちが、おうちで進んでお手伝いをしたがる事の一つに、料理があります。しかし、これは、ママにとっては、我慢のしどころです。子どもと一緒に食事を作るなんて、なんて幸せな事かと思う人が多いでしょうが、実は、時間だけがかかって、包丁を持つ子どもの安全を見守らなければならないし、「ママが、自分でやってしまった方が、ずっと効率的」なのです。

 

お仕事で疲れているママにとっては、「辛抱ならん」となるので、日曜日などのお休みの時に、余裕をもってやってもらうように、保育園では話をします。(笑)

 

ここでは、「〇〇ちゃんがやると、危なっかしくて、遅いから、ママがやるので、あっちに行ってて!」というのが、一番やってはいけないママの対応です。

 

これは、会社などの組織でも同じです。「仕事を任せても時間ばかりかかってどうしようもないから、ついつい自分でやってしまう・・・」こんな、上司や先輩のもとでは、若い人は育ちませんね。

 

私も、サラリーマン時代に、部下を持つようになって、自分に言い聞かせたことがあります。「自分の指示通りに部下を動かせば、売上は105%は確実としても、部下に考えさせて、部下のプランで売上100%なら、目先の結果は5%ダウンでも、そちらの方が将来を見据えた仕事になり、部下のためにもなる」

 

人材育成を考える時によく取り上げられる山本五十六の「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉がありますが、実は、この言葉に続く後半部分があるのをご存知ですか。

 

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

 

保育園の子どもたちを見ていると、「〇〇くんに任せたから、頼んだぞ!」と言われた時の笑顔とやる気は、凄いものがあります。

 

「この人に任せてみよう」と「この人には任せられない」の線引きは、人材育成という視点だけでなく、普段の生活の中にもたくさんありますね。「この人に任せてみよう」が多い方が、いいに決まっているのですが・・・・難しいところです。(笑)