文化庁が21日に公表した「国語に関する世論調査」では、人と意見が異なる場合に「事を荒立てたくない」と議論を避ける人の割合が初めて6割を超えたそうです。1997年では50.7%・2008年は51.3%で、今回は61.7%だそうです。つまり、友人や同僚の間でも人間関係を優先し、自分の意見を主張しない人が多い傾向があるようです。
企業が新卒者の採用について、選考で特に重視した点は、13年連続で「コミュニケーション能力」がトップです。「これからの時代は、コミュニケーション能力が一番重要になってくる・・・」といったセリフをずっと聞いてきたような気がしますね。
しかし、冒頭の世論調査の結果を見ると、コミュニケーション能力は「空気を読む」ことだと考える傾向が、若者を中心に多いのではないかと思ってしまいますね。「KY」という言葉も、今では死語になっているのでしょうが、「おまえKYなんだよ」なんて言葉が数年前には流行っていたこともあり、コミュニケーション能力の本当の意味が勘違いされているのです。
では、コミュニケーション能力の本当の意味は何でしょうか・・・?
私が、「コミュニケーション能力が少しは身についたかなぁ~」と感じたのは、社会人になって何十年も経ってからです。企業は、新卒者にコミュニケーション能力を求めますが、20歳そこそこで、コミュニケーション能力が優れた人間などそうそういません。
私は、会社の中で、仕事を通じて学びました。先輩や上司から多くのスキルを盗みました。元気のいい後輩からも大いに刺激を受けながら、新入社員の初々しさからも学ぶこともありました。
コミュニケーション能力を鍛える環境は、様々でしょうが、世代を超えた人間関係の中から学ぶことが多いような気がします。どうですか、会社などの組織やチーム、グループのメンバーは、みな同じ年齢ではありませんね。世代を超えたコミュニケーションが必要になります。
単純に考えれば、コミュニケーション能力とは「話す力」「聴く力」「理解する力」の3つの力のバランス感覚に優れていることだと思っています。最近流行りの「違いを認めよう」も、この3つの力の応用力ですね。そして、この3つの力を伸ばすには、世代を超えたコミュニケーションが一番有効と言えるのかもしれません。
あれ!?それって「異年齢保育」での、子どもたちのコミュニケ―ションにも、当てはまるんじゃないの?
はい・・・これは、異年齢保育を掲げる保育園の園長が、宣伝で言っているのではありません。ホワイトきゃんばすの子どもたちを見ていると、タテの人間関係の中で、上手に自分とウマの合う人を見つける能力が優れています。そして、卒園児の小学生も一緒にいることが多いので、「憧れ」が「目標」になり、それを達成するために、「話す力」「聴く力」「理解する力」の3つの力が自然と身につくのです。
私が、社会人になってから、なんとか身につけたコミュニケーション能力を保育園の子どもたちは、社会に出る前に磨いて欲しいですね。