連日の猛暑に、子どもたちのプール遊びの歓声があがります。今日は、学童の小学校1年生が、あらたな遊びを考えました。
「ね~先生・・・ビート板やってもいい?」と聞くので「ビート板は用意してないよ」と言うと、「大丈夫・・・これでやるから」と、いつも玉手箱と言って、氷を入れて遊んでいた、発泡スチロールの箱のふたを手にしています。
私たち大人は、固定観念が強くて、フタはフタであって、これが、ビート板に変身することなど、まったく思いもよりません。今年は、大きいプールでゴーグルをつけて泳ぐ練習をする園児が多いのですが、これに、ビート板練習が加わりました。子どもたちの発想は、本当に凄いものです。
さて、今日は、奈良県のある教頭先生の話です。教壇に立って37年目を迎える超ベテラン先生です。
「約20年前までは、まだまだ成長著しい発展途上社会であり、価値観がおおよそ統一され、一つだけの正解があり、また社会がそれを求めていました。マニュアルが重要視され、短絡的な思考の下、子どもたちにも頭の回転の良さ・速さを要求してきたような気がします。
それに比べて現代社会は、いわゆる一つの正解がなく、一定の成長を遂げた成熟の時代となったといえるのでしょうか。一人一人独立し、複眼的な思考を持ち、多様な価値観に対応できる頭の柔らかさが求められるようになりました。」
この教頭先生の言葉に、全くもって異議なしです。
ただのフタをビート板として活用する子どもたちの発想は、保育園で常に子どもたちに言っている「自分で考えてみなさい!」の賜物ですが、そう言っている園長の頭は、価値観の多様性に乏しいのかもしれませんね。(笑)
保育園の子どもたちには、これからも多様な価値観に対応できるスキルを身につけて欲しいと・・・子どもたちに逆に教えられた、ビート板の出来事でした。