「GRIT」とは、不屈の精神とか気骨などと直訳されます。一般的には、何かをやり遂げるための情熱と忍耐と言ったところでしょう。
世に名前を知られている成功者と言われる人は、「知能」や「才能」に依存されていると考えられていますが、知能が高いからと言って必ず成功するわけではありません。
私たちもテレビなどを通じて、「頭がいい」だけでは成しえないし、精神的なモチベーションや継続性があってこそ、成功に導かれることを知っています。
私の学生時代の同期で、アパレル会社を経営する仲間がいます。彼は、無名の新人デザイナーが立ち上げるブランドを支援することになった時に、こう言いました。
「このブランドは、必ず成功する。なぜなら成功するまで、あきらめないでやり続けるから・・・」どうですか、「GRIT」にピッタリのセリフですね。
「GRIT」の構成要素には、「度胸」「復元力」「自発性」「執念」という言葉が並びます。ただの「負けず嫌い」や「根性」という考え方ではなく、挑戦的な課題をやり抜く力と考えると、冷静な判断力を求められる内容だと言えますね。
さて、こうして「GRIT」のことを紹介すると、「自尊心」「自己肯定力」を伸ばすための「褒めて伸ばす」ことがダメで、「GRIT」を引き出すような厳しい指導がいいと思われたあなた・・・
特に、我が子を育てる環境にある保護者のあなた・・・大切なのは、そのバランスなのです。我が子の特性を考えて、親が決めることなのです。もちろん、保育園では、おやじ園長や他の職員が、すり合わせはしますが、最後は自分で判断します。当然、「〇〇くん」と「〇〇ちゃん」への対応は同じではありません。
当たり前の結論ですが、「自尊心運動」と「GRIT」のどちらが良いとか悪いではなく、どのようなバランスで子どもに接するのかを考えることが大切なのです。子どもだけではありません。部下を持つ仕事をしているのなら、大人も同じです。
「中庸」という言葉があるように、右とか左とか行き過ぎは、あまりいい結果をもたらさないのが常です。子どもに対しては、褒め過ぎればなめられるし、厳しすぎればやる気を失うかもしれません。難しいですし、正解がないことですが、「GRIT」という言葉は、インプットしてください。