みんな違うが普通!?

今日は、イエナプランの勉強会があったのですが、啓明学園の先生の課題をみんなで「あーだこーだ」言いながら、共有しました。

 

東京都昭島市にあるこの学校・・・中学、高校の40%が、外国籍や帰国子女など日本以外での生活を経験した生徒です。国際クラスで、国語と数学を教える二人の女性教師の話です。

 

国際クラスは、中学1年から高校3年まで同学年での授業編成にはなりません。日本語のスキルに違いがあるからです。まだ日本での生活が浅く、片言の日本語でしか会話ができない生徒もいます。数学については、日本でもそうですが、授業がわからなくなった時から、先には進めない生徒が多いようで、これもまた、学習レベルに格差があります。

 

異年齢教育といえば、聞こえがいいですが、年齢ではなく、学習レベルでの授業となっています。クラスはありません。こういった状況ですので、1週間の時間割は生徒一人一人違います。そして、テストも一人一人違うそうです。

 

成績表では、一人一人違うテストに対して、統一のモノサシでの評価はできません。点数とか順位ではなく、個々の成長の記録というのが、成績表だそうです。

 

国語の先生は、「どうして、勉強する必要があるのか?」という生徒の疑問に、明確な共通の目標が必要だと考えます。もう、お分かりだと思いますが、「どうして勉強するの?」に1つの答えはありません。しかし、先生がその答えを決めるのでは、生徒の主体性がなくなります。結局、生徒自身が、この1年間の目標を1つでいいから決められるようなアプローチをやってみることになりました。

 

すでに、国語の先生は、イエナプランを参考にして、机の配置を皆の顔が見えるように変えています。生徒同士の学び合いもできるようにしています。

 

そして、数学の先生の話は、少しやっかいです。まずは、数学の先生で女性は彼女一人です。完全に、数学教師は男社会となっており、新しいやり方を受け入れることに否定的です。机の配置を変えるだけでも、大きな反発があったそうです。私からのアドバイスは1つです。

 

「決して、戦って勝とうと考えてはいけない。戦わずして勝つ方法を考えなさい」です。

 

彼女の課題は、図形以外は、全く興味を示さない生徒への対応です。苦手な事でも、それをクリアすることで、自己肯定や自信へつながればと、色々な作戦をあれこれ議論しましたが、なかなかいい方法が見つかりません。

 

こんな感じで、有意義な話し合いとなりました。子どもたちをど真ん中において、頑張っている先生たちは、たくさんいます。私も、保育園での取組みに、多くのヒントをもらいました。少しづつ実践していきます。

 

当たり前ですが、一人の人間の知恵など、たかが知れています。多くの人の話を聞くことがどれだけ大切か・・・つくづく思った次第です。