「核兵器禁止条約」を子どもと考える

日本人の多くが、「がっかり」したのが、この3月、国際連合の本部で始まった「核兵器禁止条約」の話し合いに、日本が不参加という内容です。

 

現在、世界で核の保有が認められている国は、核不拡散条約に守られた、アメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国の5か国です。しかし、この条約を守らずに、核を持っている国は、パキスタン、インド、イスラエルそして、北朝鮮です。

 

「核兵器禁止条約」の交渉に参加したオーストリア、メキシコ、ブラジルなどの115か国は、すべて核兵器を持たない国々です。当然、この条約を制定し、世界から核兵器をなくそうと考えます。逆に、核不拡散条約に守られた5か国は、すべてこの制定に反対し、会議にも参加しません。今、核を手放したら、北朝鮮などからの攻撃にどうやって対応するのか・・・現実を考えるべきという主張です。

 

ここまでは、それぞれの国の立ち位置を考えても、理解できますが、問題は、日本の対応です。日本は、賛成でも反対でもなく「不参加」という結論でした。これをどう子どもたち(中学生以上かな)に説明するか?・・・考えてしまいました。

 

日本は戦争中に、広島、長崎に原子爆弾を落とされた、世界で唯一の「被爆国」です。日本は、核兵器を世界からなくそうという立場じゃないの・・・

 

いやいや現実的には一挙に全面禁止にはならないし、核を持つ国と持たない国の対立が深まる中に、日本が参加することは、もっと混乱するのではないか・・・

 

「核兵器禁止条約」が締結されれば、北朝鮮などのテロ国家の思うつぼになってしまうのでは・・・

 

現実的には、日本は「日米安全保障条約」で、アメリカに守られているのだから、アメリカから「参加しないで・・・」と言われれば、ノーとは言えなかったのでは・・・

 

こんなところが、大人が子どもに伝えることができるうんちくです。ここからが大切です。親子で議論できたらいいですね。「お父さん・お母さんならこう思う」。そして、我が子には、「どう思う?」と考えさせる、とてもいい教材ですね。

 

よのなかには、白黒はっきり結論を出せることは意外に少なく、グレーゾーンがたくさん存在することも、学ばなければなりません。

 

どうですか・・・今夜あたり・・・まじめな親子の議論はいかがですか?