エンゲル係数と分析力

エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める飲食費の割合の事です。ドイツのエンゲルさんが、1857年の論文で発表し、使われるようになったそうです。

 

私の世代では、30年以上前の公民の教科書で、「エンゲル係数の値が高いほど、生活水準が低いとされる。これは、食費は生きるために、嗜好品と違って極端な節約が困難だからである」と習いました。

 

また、国別に、エンゲル係数の数値で生活水準を比較することは、それぞれの国で、外食の割合が高いなど、食に関する習慣が違うので、あまり意味がないとも習いました。

 

先日、総務省統計局から、昨年、平成28年の平均のエンゲル係数が25.8%となり、29年ぶりの高水準となったと発表がありました。

 

30年前の教科書を当てはめると、「日本人は、貧乏になった?」となりますが、果たしてどうでしょうか?

 

どうも、日本人のライフスタイルの変化によるもので、一概には言えませんね。今回の「エンゲル係数が高くなった!」理由は、1つではないようです。出てきましたよ・・・答えがいくつもあるという課題が・・・。

 

企業などは、商品開発など様々な活動の中で、1つのデータから、「仮説をたてる」という作業を行います。今回のエンゲル係数上昇の理由を考えると・・・

 

「働くママが多くなり、家で食事を作る時間が取れなくなった。そこで、気軽にスーパーなどで総菜などを購入して、家で食べる(中食)の割合が増えたのが原因だろう」と仮説を立てたスーパーやコンビニは、さらにおいしくて充実した総菜の強化を図ろう。売り方も工夫しよう・・・となりますね。

 

また「ライフスタイルの変化で、洋服などはリサイクルの古着などを活用し、エコを意識するものの、食べるものに関しては、こだわり・お取り寄せ・限定品などの逸品にお金をかける傾向がある」と分析した百貨店は、どこにでも売っているようなリーズナブルな商品ではなく、価格が少し高くても付加価値がある商品を展開しなければならない・・・となるかもしれません。

 

私たちの生活の中で、数値上のデータはたくさん示されますね。しかし、そこで聞き流すか、「仮説を立てる」は少しオーバーですが、少しだけ考える習慣をつけると、見えてくるものがあるかもしれませんね。

 

サラリーマンのあなたは・・・いつもやっていることですか・・・失礼しました。(笑)