6年目の3・11

 6年前の3月11日は、まだまだ私たちの記憶に深く残っています。2万人近い人が命を落とし、2500名を超える人々が、行方不明となりました。そして、今でも12万人の方が避難生活を送っています。

 

これだけ多くの人たちが犠牲になった大震災なので、復興のスピードも形も様々です。今日は、ある家族の復興を目にしました。

 

ある夫婦は、2011年3月11日に、3人の子どもと両親の5人を亡くしました。職場先が、夫婦ともに津波の被害のない高台にあったので、犠牲にはならなかったものの、両親は、自宅にいました。小学校2年の長女と幼稚園に通う長男は、午後2時46分には、自宅に帰っていたのです。保育園に通う次女は、この日は保育園を休んで家にいたそうです。

 

この夫婦は2012年に次女(今は4歳)、2014年に三男(今は3歳)を出産しました。「子を守れなかった親が新しい命を宿していいのか」と「罪悪感」にもさいなまれたそうです。しかし、周囲に励まされながら、新たな命をはぐくむ中で、ようやく「産んで良かった」と思えるようになったそうです。

 

新たな命となった、2人の子どもたちには震災のことはあまり話していないそうです。だけど、お兄ちゃん、お姉ちゃんは「水の中で苦しくなり死んじゃった」と分かっています。妻は、「朝ご飯をみんなで食べて、夫を送り出す。この日常が、私たちの復興かなと感じています」としみじみと語ります。

 

私たちは、四季があり多くの自然に恵まれたこの日本で暮らしています。しかし、同時に、どこで暮らそうとも、いつ大きな自然災害が発生しても不思議ではない国でもあります。今日の3・11はじめ、様々な節目の日々に、他人ごとではなく、自分の事として、命を考える大切な日にしていきたいですね。そして、普通に生活をすることが、どれだけ幸せな事か・・・感謝しなければなりません。