商店街に学びの「秘密基地」

春一番が吹いたら、すぐに春になるわけではないことは、分かっているものの、また今日から真冬に戻ってしまいました。それでも、子どもたちにとっては、昨日と変わらぬ外遊びを楽しんでいます。(笑)

 

さて、新潟の話です。市内には、「古町(ふるまち)」という、昔からの商店街、繁華街があり、かつてはとても賑わっていました。しかし、ポツポツと商店街にはシャッターが閉まる店が目立つようになり、今から7年ほど前には、長く地元に愛された「大和(だいわ)百貨店」が、閉店となりました。私は、サラリーマン最後の年に、大和百貨店閉店の瞬間に立ち会っています。閉店の19:00に正面入口のシャッターが降りる瞬間、お客様から大きな拍手が起こりました。「今までありがとう」のお客様からのメッセージです。

 

そんな古町の近くに、「たんぽぽ学校」の愛称で親しまれている、児童数592人の新潟市立新潟小学校があります。この小学校は、総合的な学習の時間や生活科などの教育活動全体で、地域と一体となった取り組みを重視してきました。昨年9月からは、古町商店街の空き店舗を借りて「たんぽぽふれあい広場」を設置したそうです。

 

子どもたちにとっては、そこは「秘密基地」となり、学習成果を広く発信する場にもなっています。

 

具体的な活動としては、低学年は、商店街探険。3年生は商店街で「1日店員」を体験します。4年生は地域の歴史を掘り起こし、そこからイメージした「古町スイーツ」を作り、和洋菓子店やデパートなどで販売します。そして、高学年は、今までの蓄積を踏まえて、自分にできる地域貢献の姿や文化の伝承、発展の在り方を考える取り組みを行っているそうです。

 

近藤校長先生は教職員に対し「子どもたちが地域のありのままの姿を見つめ、自分はどうあるべきかを思索するような学びにつなげてほしい」と言います。

 

こういった取組みの中で、5年生のある児童は、商店街の七夕祭りの短冊に「古町のにぎわいがもどりますように」と書いたそうです。地域の課題を肌で感じ、発展を願う気持ちが育まれていることがわかるエピソードですね。

 

おやじ園長は、新人営業マン時代から退職するまでに、通算7年間も新潟を担当したので、古町の商店街の情景が細かくイメージできます。(笑) 

 

「たんぽぽ学校」を卒業した子どもたちが、やがて、明日の新潟を支える存在になっていくことでしょう。この素晴らしい活動に、エールを送りたいですね。