今日は、南からの暖かい風に乗って、やってきたのか・・・屋上で、「ナナホシてんとう虫」を見つけました。春の兆しです。
さて、「てんびんの詩(うた)」というビデオはご存知ですか。私は、新入社員研修で見ました。当時、証券会社や銀行に勤めた私の同期も、このビデオを会社の研修で見たようです。
ストーリーは・・・・・
近江(琵琶湖のほとり)の豪商「近藤商店」では、13歳になると、後継ぎは、ナベブタを売りに行かされます。どこの家にもあるふつうの蓋です。これをどうやって売るか?一体売れるのか?父に命令された大作は、ナベブタを売りに出歩きますが、一切ノウハウは伝えられません。
最初、近藤と言う名を笠に着て、業者宅に行き、「買え!」と命令します。 買わないと言われると、激怒し「ワシの代になったらお前とこは使わん!!クソババア!」などと言って走り去ったります。その後、親戚を巡りますが、ダメ。親戚はみんなそれが修行だと知ってるから買うはずありません。
薬屋の愛想を見て、ヘラヘラと愛想振り撒いてもクソガキ!と追い返されます。遠くまで行けば親戚が同情して買ってくれるはずと40kmを歩いて行ってもダメ。そして、3ヶ月の間に、いろいろな人が、人の心を教えてくれます。しかし、大作は聞く耳を持ちません。 頭の中は、なんとか売って、自分が後継ぎになることだけです。自分のことしか考えられません。
めげそうになって橋に座ってると、お百姓さんが言います。「ワシは百姓やけど、息子がいたら商人にさせたいな。可能性があるから・・・お前さんも凄い可能性があるな。」と言ってもらって、自分がやってることの凄さに気付き、元気が出ます。
お姉ちゃんが、心配してくれます。「ワシ、親に嫌われてるんやろか?」「何言うとんの?お父ちゃんも同じことして来はったんよ。自分にできんこと子供にやらせますかいな?」 と、自分だけが苦労させられてるんじゃないこと、親の気持ちを知ります。
それまで大金持ちのボンボンで、何も苦労したことがない子です。ある時、ついに、川にナベブタ捨ててしまおうかと思います。その時、川に洗いかけのナベと蓋がおいてありました。「これを流せば買ってくれるかも、しめしめ・・・。」と思いますが、ふと、我に還り、「この蓋もワシみたいに難儀して売ったもんかも知れん・・・。」と、初めて人のことを考えます。
そうすると、居ても立っても居られなくなり、その鍋と蓋を洗い始めてると、おばさんが帰って来て、泥棒と間違われて、怒鳴られます。が、その思いを話すと、おばさんが同情して、なんと!ついに、ナベブタ買ってあげると言ってくれます。
大作の行動がおばさんの心を揺り動かしたからです。「心から出る行動に人は答える。」
大作がこの修行の意味を悟った瞬間です。なんと、おばさんは近所の人を集めて全員にナベブタを買うように口コミしてくれます。
しかも、おばさんたちは同情して、ご飯まで食べさせてくれ、風呂まで入れてくれます。
昔のよき時代の商人の姿です。人と人が心で繋がって、助け合いして、商売になる。
こんな感じの物語ですが、涙もろい人なら、完全に目頭が熱くなる感動のストーリーなのです。
かつて「近江商人の士官学校」と言われていた滋賀県立八幡商業高校が、平成25年度から近江商人の精神や商法を実践的に学ぶ「近江商人再生プロジェクト」に取り組んでいるそうです。
時代の変化、情報通信技術の発達によって、ビジネスの在り方が大きく変化しても、近江商人が大切にしてきた「三方よし」を体感しながら、生徒たちは、現代の近江商人に必要なスキルを身に付けているそうです。
「三方よし」という意味・・・わかりますか。三方とは、「売り手」「買い手」「世間」の3つです。「売り手」は儲かって良し。「買い手」は、いい買い物で満足して良し。そして、「世間よし」とは、今で言う、社会貢献の精神を重視することです。
これからの、企業の商売に求められることは、利益を上げて、お客様の満足を高めるだけでなく、どれだけ、社会に貢献できることをやっているか・・・ですね。
「でんびんの詩」・・・いつか機会があったら、見てください。素直にいいですよ。
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