男性保育士

女児の着替えやおむつ替えを男性保育士が担当するかどうかで、論争になっているようです。この「男性保育士論争」の発端は、千葉市が1月に策定した「男性保育士活躍推進プラン」です。

 

保育士不足を背景に、このプランは男性保育士の働きやすい環境づくりなどを目的とし、保育士の役割として、当然、着替えや排せつを含む保育全般を男性保育士にも担当させるとした内容です。これに対して、賛否両論の意見が市に寄せられ、ネット上でも大きな論争になっているのです。

 

ここで、保育士の歴史を振り返ってみます。1948年に、保育士の前身となる「保母」の資格が認められ、1977年からは男性の所得も認められます。通称「保父」さんです。1999年には、性別に関係のない「保育士」として、名称が統一され、2003年からは、国家資格となりました。

 

現在、国家資格の「保育士」になるには、男女は問わず、厚生労働省が指定する大学、短大などを卒業するか、保育士試験に合格する必要があります。ちなみに、おやじ園長は、後者で、保育士の資格を取りました。

 

看護婦という仕事も、男性の進出で、「看護師」という名称となりましたね。保育園パパにも「看護師」がいますが、今まで男性が中心だった仕事に、女性が就くことが多くなるのと同じで、女性が中心の「保育士」「看護師」の仕事を男性が行うようになってきたのです。しかし、保育士では、男性が増えているものの、2016年4月現在では、全体の4.61%です。およそ、21人に1人しか男性保育士がいない計算ですから、まだまだ少ない環境です。

 

ホワイトきゃんばすでは、おやじ園長にタックルし、まとわりつく園児がたくさんいます。もちろん男女問わずです。おやじ園長は、子どもたちをリフトアップして楽しませたり、トランポリンの上に投げ飛ばしたりして遊んでいます。男性保育士の得意分野は、子どもたちと一緒に体を動かす遊びです。おやじ園長は、着替えの手伝いはたまに行いますが、おむつ替えをすることはまれです。どんな仕事でも同じですが、得手不得手で上手に役割分担が決まっていくのと同じです。

 

また、女性と子どもだけの環境よりも、その中に男性がいることで、防犯上の効果もあることも事実です。そして、一番大切なことは、幼児期は、人としての土台や人間関係、人への信頼感を構築する大切な時期です。ホワイトきゃんばすも、子どもたちが「大人になった時の姿」を見据えて保育をしています。 そこに、大人の女性だけでなく大人の男性がいることは、とても自然なことで、当たり前のことですね。

 

もう少し時間が立てば、「男性保育士」という言葉が使われることも少なくなっていくことでしょう。保育士の仕事についても、「男は体を張った遊び」「女は着替えやおむつ替え」という暗黙のボーダーラインもなくなっていくのかもしれません。

 

そして、サービス業であれば、どんな仕事でも、お客様からの信頼が大切です。保育園では、お客様である保護者が、不安に思われるようなことがあれば、丁寧に対応することが、これまた、当たり前の事ですね。

 

保育園は、保護者から大切なお子様を預かると同時に、集団生活を通じて子どもたちの成長を支えるという、「サービス業」です。「子どもを預かってやってるんだ」的な上から目線の臭いがプンプンする保育園は、アカンということです。