まちの本屋さん

まちから、どんどん本屋さんが消えています。全国のチェーン書店を除く、埼玉県の書店商業組合に加盟している、いわゆる「まちの本屋さん」は、2006年には、235店あったそうです。しかし、10年が経過した今年の4月には、143店に減ってしまったそうです。約4割の本屋さんが、店自体を閉めたことになります。

 

さいたま市の浦和駅から徒歩数分のところに「須原屋」という本屋さんがあります。何と、今月11月に創業140年を迎えたそうです。江戸時代から続く本屋ということになります。店に入ると水音が聞こえてきます。地下1階のフロアにある噴水「知恵の泉」です。「地域の人の知恵の源でありたい」という思いが込められているそうです。

 

普通に本を置いているだけでは、客離れが加速するだけですが、「こだわりをもってやっている」と言うように、須原屋は、サッカーの地元浦和レッズに関する本を多く集めています。また、教員や県、市の職員も多く訪れるので、ニーズに応えられる専門的な「お堅い本」も置いて、全国チェーン店との差別化を図っているそうです。

 

本屋さんを訪れる顧客のうち、買う本が決まっている人は、そんなに多くはありません。「なんとなく、ぶらりと・・・」といったところでしょう。そこに、こだわりの特集コーナーや、顧客の興味を引くような切り口での品ぞろえがあれば、定期的に足を運びたくなり、ついつい衝動買いしてしまいますね。(笑)

 

衝動買いの顧客心理としては「言い訳があること」です。例えば、おいしいスイーツを買う時は、自分で食べるのが本当の目的ですが「家族のために買った」という言い訳が立てば、衝動買いにつながるのです。

 

本の場合は、「勉強のため」「知識を増やすため」「子供に読んでもらうため」などなど・・・もともと、本を読むことは、大きなプラスイメージですので、言い訳が立ち易いわけです。

 

私も、本屋さんをぶらり・・・するのが大好きです。最近は、イベントコーナーを設けるなど、こだわりの演出でがんばっている本屋さんが増えてきました。

 

本離れが進む昨今ですが、時代が変わっても本がなくなることは絶対にないでしょう。手で紙をめくる・・・手で感じる本の重さ・・・このリアルな魅力があるからです。子どもたちには、本好きになってもらうように、私たち大人が、アプローチしないといけませんね。