来年4月に小学1年生になる6歳女の子は、ママに買ってもらったランドセルを保育園に配達してもらいます。クリスマス発表会が終わると、ランドセルが届くとあって、今から「早くランドセル来ないかな~」と楽しみにしています。
保育園や幼稚園から小学1年生になることは、人生の節目とも言えますが、象徴するモノを1つ挙げると、やはり「ランドセル」ですね。
今から6年前の2010年12月25日に、「伊達直人」を名乗る30代のサラリーマンの男性から、群馬県中央児童相談所へランドセル10個が送られたことを皮切りに、全国で「伊達直人」を名乗る寄付が相次ぎました。「善意の連鎖」が日本中を駆け巡ったということになります。
このタイガーマスク運動のスタートとなった男性は、幼くして両親を失い、幼少期は、親族の間を移り住む生活だったそうです。ある日、「おまえがいるから家庭がぎくしゃくする」と謝ることを強要されました。彼は、生きるために「生まれてきてごめんなさい」と答えたそうです。そして、この時に、将来自分と同じような子どもを助けたいと思ったそうです。
アニメの世界のタイガーマスクは、実は現実のプロレスラーとして活躍しました。当時、新日本プロレスに初代タイガーマスクとして登場したのは、佐山聡さんです。アクロバティックな動きに強さもある、今までのプロレスの概念を変えた男です。2代目タイガーマスクは、後に全日本プロレスのエースとなった、三沢光晴さんです。プロレスリングノアを立ち上げて、これからという時に、リング上でバックドロップを受けて亡くなりました。
私が認める「タイガーマスク」は、この二人だけですが、初代の佐山聡さんは、このタイガーマスク運動についてこう語ります。「すごく素晴らしいことです。しかし、これは皆さんの善意ですので、騒動に便乗するようにして自分が出ていくつもりは、まったくありません」と言い、縁の下の力持ちとして、初代タイガーマスク基金を2011年11月に発足しました。
そして、先日、佐山聡さんのプロデビュー35周年のリング上で、タイガーマスク運動のきっかけになった、群馬県の男性がリングに立ったそうです。名乗るほどでもないので、伊達直人を使わせてもらったところ、こんなに大きな反響になるとは思いもよらなかった。ただし、最近は、「伊達直人」を名乗るような、善意の行為が忘れられてきたので、ここで、自分がきちんと正体を明かして、取り組んでいきたい。と語ったそうです。
このタイガーマスク運動を、素晴らしい行為と受け止める人が多いですが、中には、「きちんと名乗って寄付行為を行いなさい!」という人もいます。
私たち日本人は、名乗れば「あいつ、カッコつけやがって・・・偽善者だ」なんて、思われるのが嫌で、名前を出さないところがあるのかもしれませんね。素直に、素晴らしいことと、私は思っています。ただし、ランドセルのような高価なものでなくても、筆記用具でも何でもいいですね。
ただし、私たちが考えなければならないことは、実の親の顔を知らないで生活している子どもたちが、日本にはたくさんいること。そして、それらの子どもたちの未来は、私たち大人の力が必用だということです。
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