今日は、童話を読んでもらいます。「ヤマタノオロチ」です。
むかし にほんじゅうをたびしている スサノオという わかものがいました
あるひ スサノオが かわのそばを あるいていると
かわかみから ちゃわんが ながれてきました
「きっとむこうに ひとがすんでいるにちがいない なにかたべものをわけてもらおう」
スサノオがかわかみのほうへむかって あるいていくと ちいさいいえがみえてきました
ちかづくと だれかが なくこえが きこえてきます
ふしぎにおもった スサノオが いえのなかを のぞいてみると
そこには おじいさんと おばあさんと うつくしい むすめがいて
みんな さめざめと なみだを こぼしているのでした
「いったいどうしたのだ」 スサノオが たずねると おじいさんが こたえました
「こんや ヤマタノオロチという おそろしいかいぶつが
むすめを たべに やってくるのです」
おじいさんと おばあさんには 8にんの むすめが いましたが
まいとし ひとりずつ オロチに くわれて しまったのです
そして ついに すえむすめの ばんが やってきたのでした
「それは かわいそうに ヤマタノオロチとは どんな かいぶつなのだ」
「オロチは まっかなめをした ヘビのかいぶつです 8つの おおきなあたまをもち
しっぽも 8つにわかれています からだは とても ながくて
8つの たにと やまを こえるほどです」と
おじいさんは おそろしそうに からだを ふるわせます
うつくしい むすめに ひとめぼれした スサノオは
なんとかして そのオロチを やっつけてやると きめました
「わたしが そのオロチを たいじしてやろう ただし できたら むすめさんと
けっこんさせて くれないか わたしは スサノオともうす」
これをきいた さんにんは おどろくやら うれしいやら
むすめは こころよく けっこんの やくそくを しました
スサノオは オロチを つかまえる わなをかんがえました
「とても つよいさけと 8つのつぼを よういせよ それから このいえを ぐるりと
かこむ かきねを つくらねば ならぬ」
スサノオと おじいさんたちは かきねのまわりに さけのはいった つぼをおきました
よるになると ごおっという じひびきとともに ヤマタノオロチが あらわれました
さけのにおいに きづいたオロチは 8つのあたまを それぞれのつぼに つっこみ
ながい したで さけを ぺろぺろ
「なんて おいしい さけだ むすめを たべるまえに のみほしてしまおう」
やがて さけによったオロチは ふらふらになり ついにねむって しまいました
「ようし いまだ!」 かくれていた スサノオは かたなをぬくと
オロチのくぶを つぎつぎに きりおとしました
すると オロチの からだのなかから
ひかりかがやく いっぽんの かたなが でてきました
「これは みごとだ わたしの ふるさとに おくるとしよう」
スサノオは このかたなを かみさまのもとに とどけました
じつは スサノオは かみさまの こどもだったのです
かたなをうけとった かみさまから りっぱなわかものだと みとめられた スサノオは
むすめと けっこんして しあわせに くらしました
子どもに、絵本や童話を読み聞かせをした後は、「どう思った?」とか「この本では、〇〇が言いたかったんだよ」なんて、子どもに話をするのは、ヤボな事だそうです。子どもなりに、必ず何かを感じているので、子どもから「問い」が出たら、答えるだけで十分です。
そして、大人のあなたは「ヤマタノオロチ」を読んでどう感じましたか。
体力で負けても、知恵を使えば相手を倒すことができる・・・そんなところでしょうか。困難が生じたときに、すぐにあきらめないで、知恵を使って乗り切る・・・今日は、素直に、そんな教訓を心にしまっておくとしましょう。
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