非認知能力

昨夜の林先生の番組で、子どもの教育にとって、とても興味深い内容が紹介されていました。番組では、「将来、高収入の大人になるためには、幼児期や学校生活の中で、どんな能力が必要か?」という内容でした。

 

その能力が「非認知能力」です。あまり聞いたことがありませんね。「非認知能力」を簡単に説明すると・・・

①目標を達成するための「忍耐力」「情熱」など

②他者と協力するための「社会性」「思いやり」など

③情動を抑制するための「自尊心」「自信」など

の能力です。テストの点数では、評価できない内容ですが、人として生きていくにあたっては、とても大切な能力です。

 

非認知能力は具体的にどう働くのか・・・一例として算数の問題の解き方を学習する場面を想定してみます。まず、算数の問題を解くためには、授業の内容を理解したり、公式を暗記したりといった「認知能力」が求められます。

 

しかし、それだけでは不十分で、理解できるまで根気強く勉強を続けたり、友だちと教え合って理解を深めたりといった「非認知能力」の支えが必要です。学年が上がって努力や工夫が求められるようになるにつれて、「非認知能力」の支えがなければ主体的に学び続けることができず、伸び悩んでしまう可能性が高まるのです。

 

親の本音としては、幼児期に早期教育として英語や音楽、勉強などをさせることで、漠然とした安心を買っているのでしょうが、幼児期にどれくらい知的教育に力を入れるべきか、私たちはもっと深く考える必要があるようです。

 

近年の研究では、幼児期の知的教育による効果は一時的に過ぎず、長続きしないことが明らかになりつつあるからです。最初は他の子どもを大きくリードしますが、小学校に入学して学年が上がるにつれて差が見られなくなることがわかってきたようです。

 

実は、ヨーロッパなどの教育先進園では、知的教育ではなく、「非認知能力」を伸ばす教育へと重点をシフトさせているのが世界的な潮流だそうです。早期教育に力を注ぐ日本の状況は、国際的には逆行していると言えるかもしれませんね。

 

では、子どもたちをどんな環境に置けば、「非認知能力」が高まるのかを考えると、保育園、幼稚園での集団生活の中で学ぶことが大切であることがわかります。学校では、部活動から学ぶことが多いということです。

 

先日、私の高校2年の次女が所属する吹奏楽部を、受験勉強に注力するために退部した部員がいたそうです。「非認知能力」を高めることを考えれば、最悪の選択ともいえるのです。

 

ホワイトきゃんばすでの異年齢のかかわりや、寺子屋での「学び合い」、そして、辛抱強く「自分で考える」ことの大切さを子どもたちに教えることは、この「非認知能力」のアップにつながっていると思っています。

 

どうですか・・・今日は、「非認知能力」の大切さをしっかりとインプットしてください。点数にもできないし、評価するモノサシもありません。しかし、大切なものほど、なかなか目には見えないものなのです。