イエナプランの勉強会

ユニセフが行っている「世界子ども幸福度ランキング」で、ここ数年不動のトップが、オランダです。特に教育の部分では、100の学校があれば、100通りの様々な考えを持った学校が存在するというくらい、オランダでは、義務教育だけでなく、教育の自由も約束されている国です。

 

そんなオランダで、日本の小学校にあたる600ほどの学校の中で、220もの「イエナプラン校」があります。今日は、その「イエナプラン」の勉強会が埼玉県のふじみ野市であったので、参加しました。

 

このイエナプランとは、一人ひとりを尊重しながら自立と共生を学ぶオープンモデルの教育です。ベースは異年齢クラスで編成され、日本の学年に合わせると、保育園、幼稚園の年長から中学2年まで9学年を、年長から小学校2年・小学校3年から5年・小学校6年から中学2年までの、3つのクラスに分けます。それぞれのクラスは、3学年の異年齢クラスとなるのです。

 

そこでは、日本の学校のように、先生が黒板に立って、授業を教えるというスタンスではなく、先生は、3学年の異年齢チームに課題を与えながら、共に学び合うスタンスです。これは、社会に出たときに相手の立場を理解して行動するための準備と考えてられます。

 

つまり、子どもたちが大人になって、社会に出たときの予行演習のような教育プランと言えます。ホワイトきゃんばすの異年齢保育や寺子屋での学び合いなどは、この「イエナプラン」の考え方がベースになっています。

 

さて、そんな「イエナプラン」の勉強会ですが、本日参加した13名のメンバーは、私と塾の講師の二人以外は、すべて学校の先生です。小学校、中学校、定時制高校、大学講師など・・・日本には、小中一貫校は1000校以上ありますが、それを異年齢でクラス編成をするイエナプラン校はまだありません。しかし、今日の勉強会に参加した先生たちは、日本の公教育に、このイエナプランの考え方を広めようと、異年齢の交流を含め、実際の授業で取り組んでいます。

 

ある小学校の先生は、総合学習の時間で、子どもたちの「やりたい」事を引き出して、楽しい授業を展開しています。また、中学校の先生は、「はい。机とイスを後ろに運んで・・・」と車座になって、アクティブラーニング的な生徒主体の討議を始めます。最初は、校長先生から「前例のないことをする変な先生」と煙たがれていたそうですが、自信をもって、自分の意見を言う生徒たちの姿が広まると、他の教員にも影響が出てきたそうです。

 

また、この春から小学校2年の担任をする男性教員からは、勉強会が終わってから相談がありました。学校の閉鎖的な環境に絶望し、昨年1年間、タイなどのアジアの学校をまわり、オランダのイエナプラン研修旅行にも参加したそうです。自分やり方を認めようとしない校長や教頭とウマが合わないそうです。

 

常に問題意識をもって、前向きに頑張っている先生には、時には、神様が試練の壁を与えるのかもしれません。でも、そんな先生たちの前向きなエネルギーをたくさん吸収させていただきました。

 

今日は、初めての埼玉県内での勉強会だったようですが、今後は、定期的に行うとのことで、私も、ポジティブ先生たちの仲間入りをして、ポジティブおやじ園長であり続けたいと思う次第です。(本当です!)