黒い円盤をジャケットから取り出し、ほこりを拭いて針を落とす。音楽の楽しみ方として、デジタル音源が主流になる一方で、アナログレコードが再び脚光を浴びているそうです。
私のような、アラウンド50世代にとっては、中学時代に初めて自分のお小遣いで、シングルレコードを買い、おやじのレコードプレーヤーで音楽を聴いていた頃を懐かしく思い出します。ニューミュージックなるジャンルが確立し、アリスや松山千春、松任谷由実、そしてサザンオールスターズもちょうどデビューしたばかりでした。
針をレコードに落とす瞬間の、何とも言えない緊張感が、たまらなかったですね。
「でも、レコードプレーヤーなんて売ってないんじゃないの?」と思われるでしょうが、大型の家電量販店に行くと、普通に売っているそうです。
では、レコード人気というけれど、数字では・・・日本レコード協会の統計によると、昨年のレコード生産数は66万2千枚で、前年(40万1千枚)の7割増しとなっているようです。今年も、その勢いは止まらないとのこと。
私のようなおやじ世代が、懐かしんで、レコード鑑賞に回帰しているだけでなく、インターネットで音楽を聴き始めたような若い世代も興味を持ち始めているようです。
パナソニックの音響機器ブランド「テクニクス」が今年復活し、4月に名機と名高いターンテーブル「SL1200」シリーズの新製品を発表したところ、国内販売分300台が、予約開始わずか30分で完売したそうです。
「メンテナンスを含めて、聴く手間も楽しめるから・・・」
「店でレコードに出会い、家に持ち帰り、プレーヤーに載せて聴くという一連のストーリーの中に、骨董品的な楽しみがある・・・」
「アナログレコードの音は、一枚の絵のように浮かび上がってくる印象・・・」
こんなところが、レコードの魅力なのでしょう。「テクニクス」とプレスメーカーの東洋化成、レコード針生産のナガオカの3社が、「レコード再発見プロジェクト」を始め、レコードの魅力を広める取り組みを展開しているそうです。
今日は、ボージョレ・ヌーボーの解禁ですね。おいしいつまみもいいですが、レコードを聴きながら、ワインを飲むなんて・・・贅沢な時間ですね。
コメントをお書きください