モンスター・ペアレント

今年の10月、茨城県内の公立学校で、保護者が校長等に包丁を突き付けて逮捕されるという事件が発生しました。保護者は、子どもが運動会を欠席したため、そのやり直しを求めて脅迫したと報道されています。

 

また、ある学校では、保護者から児童の指導に関する苦情が寄せられ、校長から説明、謝罪に出向くよう求められた教員が、家庭訪問を行ったところ、児童の義父から金属バットで暴行を受ける事件も発生しました。

 

このように、命にかかわるような事件までいかなくても、「真夜中に何度も電話をかけてくる」「思い込みで執ような抗議を繰り返す」「部活動で子どもをレギュラーにしてほしい」「遠足の行き先が気に入らない。変えて欲しい」などなど、保護者の要求は、とどまることを知りません。

 

モンスター・ペアレントという言葉が、こうして認知され、定着するようになってから、少なくとも10年以上は経過していますね。テレビドラマの題材になることもしばしば・・・報道番組でも、「噓でしょ!」といったアングルで、モンスター・ペアレントを取り上げられることも、今では普通になってきました。

 

管理栄養士で小学校に勤務する、保育園の保護者からも、「食」に関する、具体的な、モンスターの領域の保護者対応の話を伺ったことがあります。我が子を守るのは親の義務ですが、親元を離れた時間は、多くの人たちに、我が子が守られていることを忘れてはいけません。そこには、ありきたりですが、感謝の気持ちが大切になってきます。

 

私も、PTA会長時代に、「旗振り当番は、絶対にやりません」というママの説得に、失敗した経験があります。年にたった3回・・・そして、子どもにとっては、旗振りで「おはよう!」と言ってくれるママを小学校6年間の間、一度も見ることができなかったのです。

 

「話し合いさえすれば必ず信頼関係は、構築できる」と、私も信じたい一人ですが、現在のモンスター・ペアレント対応は、そんな楽観論では前に進まないようです。経験の浅い教員にとっては、まさに、対応不能の事態かも知れません。

 

どうすればいいものか・・・なかなかいい答えが見つかりません。