民生委員をご存知ですか。地域の人たちを守るボランティアです。無報酬で、地域の身近な相談相手として活躍されています。お年寄りの話し相手や、児童委員も兼務するので、不登校の子どもたちのケアや、時には子どもへの虐待を発見することもあります。
当然、誰でもできる仕事ではありません。見識があり、人生経験もあり、人間力の高い人が適任となるのでしょうが、現在の問題は、なり手がいないということです。
民生委員は、自治会などの推薦で選ばれることが多いのですが、なり手がないと、言葉は悪いですが、民生委員としてふさわしくない人格の者が務めることもあります。
私の知るところで、こんなことがありました。ある中学校の周年祭で、来賓としての対応に不満を持った、民生委員のAさんは、たまたま飲食店で隣り合わせた学校関係者に、酔って悪態をついたそうです。人のために奉仕する民生委員が、自分の対応への不満を理由に大きな声をあげて暴れたそうです。このAさんが欲しかったのは、「民生委員」という名誉の肩書なのかもしれません。
さて、徳島県石井町では、「子ども民生委員」を60年以上続けているそうです。昭和20年代から、民生委員と子どもが一緒に高齢者宅を訪れたり、過去に「子ども民生委員」を務めた高齢者が孫から「子ども民生委員」として訪問を受けているといいます。
子どもたちが、ちぎり絵などの工夫を加えたうちわを作って、高齢者宅を訪れると、高齢者は、表情を変えるほど喜んでくれるそうです。想像できますね。
「子ども民生員」を経験した子どもたちは、自然と、自分が住む地域のことを考えるきっかけとなるのかもしれません。子どもたちが「よのなか」を知る、貴重な体験として、注目したいですね。
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