リオデジャネイロオリンピックの陸上男子400メートルリレー決勝。第1走者として絶妙なタイミングスタートを切ったのが、山県涼太選手です。スタートダッシュには定評があります。バトンは飯塚翔太選手、桐生祥秀選手、ケンブリッジ飛鳥選手につながれ、日本のリレー史上最高の銀メダルを獲得しました。まだ、私たちの記憶に新しいところですね。
今日は、その第1走者の山県選手の話です。彼は、広島出身で、小学校4年生の時に市のスポーツ大会の100メートル走で優勝したことがきっかけで、地元の陸上クラブに誘われ、本格的に練習をスタートさせます。
しかし、彼は中学受験をし、陸上競技では全く「無名」の私立修道中学・高校に進学します。周囲からは「山県君は終わったね」と言われたそうですが、そんな声をはね返すように、記録はぐんぐん伸びたそうです。
彼が「無名」の陸上部でやっていたことは、コーチの特訓に耐えることではなく、部員同士で話し合って、練習メニューを決める・・・いわば「自分の頭で考える練習」だったのです。
よく、スポーツが得意な生徒は、勉強もできるということが多いのですが、山県選手もそんな一人だったようです。「自発的に考えて動かないと、スポーツも勉強も置いていかれる」と、常に考えていたそうで、スポーツも勉強も両立できる、うらやましい才能を持っていたようです。才能というよりは、常に考えていたからこうなったというべきでしょう。
彼は、慶応大学に進むのですが、これも陸上では「無名」の大学です。「あれこれと指示を受けず、選手が自由に練習できる環境があるので、自分に向いている」と考えて決めたそうです。そこでは、空手の動きを練習に取り入れるなど、ユニークな発想で、さらに才能が開花し、2年の時には、ロンドンオリンピックに出場しています。
日本人初の「10秒の壁」を切る選手は、桐生選手でも、ケンブリッ選手でもなく、この山県選手ではないかと、言われています。
彼の「自分で考える練習」・・・注目したいですね。
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