今日は、卒園児で、7歳女の子が通う、さいたま市立大宮西小学校の運動会に行ってきました。児童数970人を超えるマンモス小学校ですので、多くの保護者の応援で活気がいっぱいです。
この学校は、マーチングバンドが有名で、過去に全国大会にも出場しています。今年度も、関東大会進出が決まっているとのことで、そこを突破して、目指すは全国大会です。
今日の運動会で、一番感動したのは、「親子で一緒にお弁当を食べる」です。驚きましたか?・・・現在、全国的に、「児童は教室でお弁当」というのが、一般的なのです。私自身も、我が子の小学校だけでなく、園長として、卒園児の運動会に応援に行っても、ほとんどが、親子は別々のお弁当なのです。
理由を明確にしている小学校は、ほとんどありませんが、母子家庭・父子家庭への配慮、両親共働きで運動会に来れない、お弁当を作ってくれない親がいる、お弁当のおかずに格差が出て、児童が不公平感を持つ・・・理由は、ざっとこんなところです。
常識的な考えで言えば、児童の頑張りを家族総出で応援し、お弁当の時間は、子どもを褒めたり、結果が残せなかったら慰めたりする大切なひとときであると思っています。
先生たちも、午後の競技の準備もあるので、クラスで弁当よりも、親子で弁当を食べてもらった方が、ありがたいでしょう。
児童への配慮を優先して「教室でお弁当」か、運動会を応援する「家族一緒でお弁当」か・・・2つのうち1つを選択するなら、あなたならどう考えますか?難しいですか?
おやじ園長の答えは、簡単です。
「今」という短時間での子どもたちを考えれば、配慮が必要という結論になるでしょう。しかし、「将来」という、子どもたちが大人になってからのことを考えれば、配慮が逆効果になるかもしれません。
私たち大人が一番わかっていることですが、現実社会には、「格差」も「競争」も「差別」も存在します。人と人を比べると、様々な「差」があることを前提にして、生きています。配慮が必要な子をオブラートに包んで、生きる力をつけさせないまま、中学、高校へバトンタッチするのは、責任を棚上げすることと一緒かもしれません。
そして、子どもたちは、私たち大人が思っているほど、子どもではなく、「差があること」を目の当たりにすると、子どもなりに「配慮する」という気持ちが生まれます。保育園でも、年中、年長になれば、配慮ある行動が取れるようになってきます。つまり、子どもの頃に、配慮されない立場の児童にとっても、オブラート対応では、大人になって「配慮に欠ける行動、言動」を取りかねないということです。
さて、これを読んで、「うちの小学校の運動会を親子弁当に変えたい!」と思ったあなた・・・一人で、校長先生に直談判しても難しいでしょう。たいがいの校長先生は、一人の意見では、改革を後押ししてくれません。
作戦は1つです。PTAに動いてもらって、アンケートを取ります。もちろん、公平な内容です。その結果、90%以上の賛成が得られれば、PTAと校長、教頭が同席する委員会で提案するのです。
どうですか・・・1つのことを変えるのは、勇気も根気も必要です。でも、「あーだこーだ」言いながら、親子で弁当を食べる。親が応援に来れないなら、誰となく輪に入れてあげる。そんな、素敵な運動会のランチタイムにしたいものですね。
ということで、昨年のホワイトきゃんばすの夏まつりで「カフェ」を提案し、その熱意と、他の園児を巻き込む行動力で、先生たちを納得させた、7歳女の子の運動会は、無事に終わり、「運動会でのお弁当のあり方は?」という、新たな問題定義を与えてくれたのです。
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