「ローマ法王にコメを食べさせた男」の著者でもあり、北陸は石川県羽咋市役所の職員でもある高野氏は、スーパー公務員と言われていますね。彼の持論は、「役人は、人の役に立たねばならない」です。とても、シンプルで分かり易いです。
昨日のNHKプロフェッショナルでは、島根県のスーパー地方公務員の寺本英二さんが主役です。彼は、グルメ戦略の地域おこしを実践します。地域の食材をつかった・・・という程度ではありません。
「一番おいしいものは地方にあって、おいしいものを作る人間も地方にいる。だからこそ地方の人間が輝いているという誇りをもって僕は生きている」
彼はB級グルメで、一時のブームを起こすのではなく、A級グルメを追求します。村にあるイタリアンレストランは、客単価4000円以上というA級グルメです。そんな彼ですが、役場に入って、10年目に平成の大合併があり、自分の生まれ故郷が、消滅してしまったのです。それまでは、なんの疑問も持たずに、のんきに公務員をやっていたそうです。
しかし、10年も公務員の仕事をしておきながら、地域のことなど何もわかっていなかった自分に気が付くのです。
寺本さんのもとには、「食」や「地域おこし」にかかわる仕事をしたいと、たくさんの移住者がやってきます。そこで、彼らには「地域を見ろ!町おこしは自分本位であってはならない」と、熱く語ります。
そして、彼が大事にしている言葉が「答えは、地域にある」です。こうして寺本さんは、自分なりの答えを捜しに、連日のように現場を訪問するのです。もちろん、彼の行動は、サクセスストーリーではありません。1つ成功すれば、新たな失敗が1つ発生する。成功と失敗のイタチごっこのようです。
寺本さんのやり方も、ローマ法王にコメを食べさせた男の高野さんのやり方も、ともに、全国の過疎地の地域おこしに、共通して役立つことではありません。答えは、その地域それぞれにあるのです。
私は、埼玉県育ちですので、地方の故郷がありません。地方出身の若者が、進学や就職で、いったん都市での生活をしても、生まれ故郷のピンチに立ち上がって、それぞれのやり方で、仕事も、子育ても充実した、生きがいのある人生を送れたら、こんなに、素晴らしいことはありませんね。
待機児童であたふたする必要もありません。急に、待機児童問題に話がぶれたと思ったあなた・・・田舎暮らしへのあこがれというレベルではなく、自分たちで、地方を創り出していくという、生きがいが、都市の人口集中への打開策でもあるのです。
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