正しい日本語

「看護婦は男の顔を見ぬやうに努めた。気の毒で見れなかった」(太宰治『道化の華』)では、見事に「ら抜き言葉」です。

 

「離れて見れる」(川端康成『二十歳』)など、日本を代表する文学作品の中にも、実は「ら抜き言葉」を見つけることができます。

 

文化庁が昨日発表した、2015年度「国語に関する世論調査」では、「初日の出が見れた」「早く出れる?」など、「見られる」よりも「見れる」、「出られる」よりも「出れる」を使う人の方が多いという結果となりました。

 

もちろん、「ら抜き言葉」すべてが、支持されたわけではなく、「来れますか?」ではなく「来られますか?」・・・「食べれない」ではなく「食べられない」・・・「考えれない」ではなく「考えられない」を多く使うという、「ら抜き言葉なんか使うんじゃないぞ!」という昭和世代の人間にとっては、少しホッとする結果も出ています。

 

ともあれ、「正しい日本語」も時代の流れとともに、今までの「ダメ!」が「しゃーないな~」になる言葉が増えているようですね。

 

さて、「おやじ園長の本」(正式なタイトルは出版までのお楽しみ・・・)ですが、初回校正では、出版社の専門家による「正しい日本語」のチェックが入りました。本の内容ではなく、「ら抜き言葉」の例のように、正しい日本語が使われているか、カッコ(『』「」)などの使い方が間違えていないか、句読点の使い方など、1ページに必ず複数の黄色のラインがつけられました。(笑)

 

ともあれ、無事に、本の表紙デザイン、各章の挿し絵など、最終校正に入っていますので、出版まで、もう少しお待ちください。

 

最後に、解散するSMAPの「夜空ノムコウ」を聴いてもらいましょう・・・

「♪あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ・・・」

どうですか、よく口ずさんでいる名曲ですね。これも、まったく抵抗のない「ら抜き言葉」が使われています。探してください・・・。