昨日のテレビ番組で、自転車での一人旅の若者を何人か追いかけていました。北海道にある、床屋のおやじが、若者たちを支えます。
たぶん、口コミなどで、「旅の途中に、○○という床屋のおやじのところへ散髪に行ったらいい。そこでは、ただで宿泊もさせてもらえるみたいだ」なんて言う話が、自転車で一人旅をする若者の間では、広まっているようです。
今まで、多くの若者の髪を切り、夜な夜な、悩み相談に付き合ったおやじは、早朝、旅立つ若者たちの後ろ姿の写真をたくさん撮っていました。そして、その若者たちが、旅先から、または、社会人になってからも続く便りを宝物のように、大切にされています。
ある若者は、人とコミュニケーションをとることが苦手で、大学を中退し、この一人旅で自分を変えようとしていました。しかし、床屋のおやじのところでも、スマホばかり見ているだけで、会話が全くありません。おやじは、スマホの便利なところを否定するでもなく、若者に話しかけます。
言葉の大切さを教えてもらった若者は、旅の中で、出会う人に、少しずつ自分から声をかけるようになっていきます。そうすることで、自ら閉ざしていた心の扉が、開きつつあるようです。
警察官を目指す若者は、旅の途中で、「合格するに決まっている」と思っていたにもかかわらず、不合格となったことを知り、傷心旅行となってしまいます。自分が目指す道を見つけられない中、お金が底をつき、アルバイトをした、農家の主の話から、自分がやりたい道を進むことを決心します。
私も、学生の頃に、何回か、親切な人のおうちに泊めさせていただいたことがあります。番組で、もがく若者が、過去の自分とかぶるようで、懐かしく思えてきました。おやじになった今では、旅に出ることは、温泉にゆっくり入って、美味しいものを食べることになるのでしょうが、若い時の旅は、時間はあれど金はなし・・・食パン一斤とマヨネーズで、1日を過ごした、懐かしい思い出がよみがえります。
若い頃の旅は、自分を見つめ、自分の進む道を見つけることになるのかもしれませんね。
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