ノムラスコープ

プロ野球も終盤戦を迎え、熱い戦いが続いていますが、先日、ロッテのサブロー選手が今シーズン限りの引退を発表しました。印象に残っているのは、彼が「つなぐ4番バッター」として活躍したことです。4番=長距離打者というセオリーを覆した男です。

 

プロ野球の常識を覆したという点では、すぐに思い浮かんだのが「ノムラスコープ」です。若い世代では知らない人が多いかもしれませんが、これは、今までの野球解説の常識を覆した、画期的な解説でした。そして、これができるのは、野村克也さんだけです。

 

ストライクゾーンを9つに分割し、配球を解説、予測するシステムなのですが、1980年代に、当時野球解説者だった野村克也さんが、行った解説です。

 

私が物心ついた、小学校高学年から中学校の頃の野球解説者は、ピッチャーがストレートを投げてホームランでも打たれようなら、「バッターがストレートを待っていたのは見え見え・・・ここは変化球で攻めるべきだった」のような、結果論解説が当たり前の時代でした。スポーツの解説は、結果論を論じることが多いのですが、こんな解説を聞くたびに「これなら、俺だって解説できるわ・・・」なんて、ボヤいてました。(笑)

 

そこに登場したのが、ノムラスコープの解説です。投手の1球目からの投球が9分割の配球表に提示されます。そこで、捕手出身の野村克也さんは、「次の球は、ここに投げておけば必ずファールになる」とコースをピンポイントで解説します。そして、驚くべきことに、その通りになってしまうのです。結果論解説でなく予測解説なのです。

 

野村克也さんは、監督としての実績が注目されてますが、実は現役時代も凄い打者でした。通算2901安打(歴代3位)・657本塁打(歴代2位)・1988打点(歴代2位)・・・どうですか、言葉も出ない数字を残しているのです。しかし、入団1年目が終わって、クビを宣告されます。そこを拝み倒して、現役続行を勝ち取ったあとは、彼が目をつけたのが、相手投手の配給や癖を見抜くことです。6割の確率で投手が投げる球がわかっていれば、打てるという考え方です。

 

ともあれ、野村克也さんの「ノムラスコープ」によって、野球好きのうんちくおやじが増幅したことだけは間違いないようです。

 

「前例がないからやめておこう」よりも「前例がないからやってみよう」という生き方をしたいものですね。もちろん、保育園の取組みもこれがあてはまります。ホワイトきゃんばすは、前例がないことを続けていきますよ・・・・はい。(笑)